674: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:48:46.10 ID:z5kRHM0CO
あのテロでの佐藤の真の目的はグラント製薬の壊滅ではなく、SATとの戦闘だったということ。旅客機の墜落はメッセージであり、二度繰り返す必要はないということ。
戸崎の胸中に疑惑が生まれた。SATの配備は極秘だった。だが、佐藤はそのことを知っていた。どこからか情報が漏れたのだ。警察からか、それとも亜人管理委員会からか。
675: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:50:12.62 ID:z5kRHM0CO
永井「どんな不備が?」
中野「こんな危ないこと女性にさせられるかよ!」
676: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:01:55.63 ID:z5kRHM0CO
オグラ「これが、両手に花ってやつだ」
まだ夏を引きずっている白く輝く太陽から降り注ぐ陽光を浴びながらオグラは言った。背後では下村のIBMが影のように左右に立ち、あやとりの紐を指に通している。
677: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:02:52.83 ID:z5kRHM0CO
言ってから、オグラは永井に視線を向けた。
オグラ「しかし、きみの場合は事情が異なる」
678: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:03:42.29 ID:z5kRHM0CO
やっとのことでオグラが口を開いたが、切断された話は全然関係ないところに繋げられた、中野は何の話だというような顔で永井を見たし、下村も困っている、永井は諦めを感じつつも口を挟まずにはいられない。
永井「要点だけ言ってくれません?」
679: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:04:48.32 ID:z5kRHM0CO
中野が口を挟んだおかげで閑話休題となり、今度はIBMを使った実戦形式の訓練となった。
IBMを発現できる永井と下村が撃ち合いをするみたいに距離をとって向き合い、同時にIBMを発現する。
680: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:05:28.67 ID:z5kRHM0CO
オグラ「人間が三十七兆個の細胞の寄せ集めなようにこいつらも粒子の集合体にすぎない。隣り合うIBM粒子同士が特殊な化学結合で結びつき、肉体を形作っている。
これは分断程度の別離では断ち切れない。お互いを引っ張りあい再結合する。だが、IBM同士が強く衝突した場合、異なる情報を持つ粒子が混ざりあってしまう。
混線状態だ。再結合するべき粒子と連絡がとれなくなり、結果、お互い散り散りに。よって相殺する」
681: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:06:17.52 ID:z5kRHM0CO
草の上にボックス型のガンケースがふたつ置かれていて、波形の表面が鈍い銀色の光を反射させている。
彼らはケースから拳銃を取り出し、弾倉を装填してからスライドを引いた。ホテルの裏口からタイルを敷いた散歩用の小道が延びていて、小道の向こうに的になる看板があった。
682: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:07:04.76 ID:z5kRHM0CO
永井「一発はずした」
永井は左手の人差し指をフレームの上に置くと、銃口をすこし下げ地面に向けた。すでに手慣れた手つきでマガジンをリリースする。その様子を驚きながら見ていた黒服がみじかく笑った。
683: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:08:10.50 ID:z5kRHM0CO
夜食を摂り、食後の作戦会議も終わった。戸崎はフォージ安全での作戦展開の許可をとったことを告げ、より詳しい施設の情報を開示した。それによって実行可能なプランが絞られ、それぞれのプランの具体的な検討に入っていった。
永井はそれらを聞きながら、ビルの十階にある、とある設備にひとり注目していた。
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