新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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42:名無しNIPPER[sage]
2017/01/03(火) 12:52:26.62 ID:CikglAQSo
乙。
読みやすいけど横に長いかなとは思った


43: ◆8zklXZsAwY[sage]
2017/01/03(火) 18:43:16.75 ID:5kzXp0UHO
コメントありがとうございます。ほんとに励みになります。

>>42
スマホからの打ち込みですのでパソコンからだと見づらいのかもしれません。うちにパソコンがないもので…。スミマセン…。


44:名無しNIPPER[sage]
2017/01/04(水) 13:04:37.49 ID:c+lazJ93o
乙乙
毎度読ませる文章


45:名無しNIPPER[sage]
2017/01/22(日) 22:57:56.29 ID:uWL6ZvZ50
マダカナ


46: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:29:22.32 ID:8ENUCYV1O

2.いちばん辛いのは永井圭のほうだろう


「あいつは全囚人の中でいちばん向う見ずな、いちばん命知らずな男だよ」とMは言った。「どんなことでもやりかねない男なんだ。ひょいと気まぐれを起こしたら、どんな障害があっても立ちどまることを知らない。ふとその気になったら、あなただって殺しますよ、あっさりね、鶏でもひねるみたいに。眉一つうごかすでもないし、悪いことしたなんてこれっぽっちも思いやしませんよ。頭がすこしへんじゃないか、と思うほどですよ」ーードストエフスキー『死の家の記録』
以下略 AAS



47: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:30:58.14 ID:8ENUCYV1O

テレビリポーターや記者たちの活動がもっとも活発になったのは永井圭が協力者とともに警察から逃亡したという情報がもたらされた午後八時過ぎのことだった。記者たちはプロダクションに出入りする人間すべてに詰め寄り、マイクやICレコーダーを突きつけ内容などなんでもいいからとにかくしゃべってくれとうるさくせっついていた。増員された警察官によって記者たちの動きが抑えられたのはついさっきのことで、現場の整理を指示していた刑事は、記者たちが地面から生えてきた有象無象にみえて仕方がなかった。

ーー放っておいたらどんどんつけあがる奴らだ。まったく。奴らをみてると報道とタレコミの違いがわからなくなってくる。奴らがほんとにアスファルトでできてたらよかったのに。それなら躊躇ってものは必要なくなる!ーー

以下略 AAS



48: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:32:33.50 ID:8ENUCYV1O

レッスンや撮影などでプロダクション内に残っていたアイドルたちもこの騒ぎのせいで帰るに帰れなくなっていた。当然ながらマスコミはアイドルたちのコメントを貰おうと躍起になり、社内に侵入しようとするものまで出てくる始末だった。先頭を走る記者ひとりに対して五人の警官が後を追う。追いかけっこは、さながら鳥の群れの移動のようだった。

こういった騒ぎが本格的になる前に、アイドルたち、とくに未成年者は優先して専務よって帰宅が指示された。ビル駐車場に送迎用のワゴン車が集結し、帰宅の方向をおなじくするアイドルたちが手当たりしだいに車にのせられていく。警備員や制服警官たちが仕事に躍起になるなか、送迎車が連結した列車のように一列になって駐車場から出ていく。何往復かの送迎のあと、最後にのこったアイドルを送り出したのは最初のワゴン車が出発してから数時間後のことだった。そのあいだ、記者たちの動きをとめるのにプロダクションの社員までもが投入された。



49: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:33:52.88 ID:8ENUCYV1O

車列に群がろうとする記者たちを押さえつけるのに全力を使いきった警備員や警官たちが疲労で肩を重くしていると、黒いセダンが入れ替わるようにプロダクションの駐車場にすべりこんできた。まるでさっきまでの喧騒など存在しなかったかのような運転のしかただった。その公用車はビル入口近くの駐車スペースにとまった。車から降りてきたのは、若いスーツ姿の女性とテンプルの部分がV字型の眼鏡をかけ、黒い革の手袋をした三十代前半と思しき男性で、男性の方は案内しようと呼びかけてきた巡査部長に姓が濁らないことを指摘し、巡査部長を謝罪させた。男が眼鏡の位置を直したとき、駐車場の明かりが反射してなめらかな表面をした革手袋が鋭く光った。

三人は巡査二名が警備している社員通用口を抜け本社ビルにすすみ、エレベーターに乗り込んだ。エレベーターが上昇するあいだ、巡査部長はすでに聴取した内容を眼鏡の男におおまかに説明した。眼鏡の男は大量のミントタブレットを口に入れながら、巡査部長の話を聞いていた。亜人捕獲に関する有益な情報はなく、男は話を聞きながら、亜人研究のサンプルになりうる幼少期の性格、態度、振る舞いなどを聞き出すことと、亜人発覚直後の親族の反応を観察することを目的にしようといまからおこなう聴取のプランを立てた。



50: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:35:09.37 ID:8ENUCYV1O

エレベーターが目的の階に到着すると、二人は巡査部長の案内によってCPルームの前までやって来た。ドアの両側にはまたもや二名の巡査が待機していた。敬礼する二名を気にもとめず、眼鏡の男とあとにつづく女性は部屋にはいった。

部屋のなかには三人の男女がいた。三人ともスーツ姿で、このプロダクションの社員らしい。目つきが鋭い背の高い男がいちばん若く、眼鏡の男よりすこし年下にみえた。その男は顔を伏せて表情に影を作り、刺すような視線をだれに向けるでもなく沈黙している。陰鬱さがよく似合う男だった。もうひとりの男性社員は老齢で、腰にはまだあらわれていないものの背中の丸みが年齢による筋力の衰えを物語っていた。この初老の社員も若い社員とおなじく暗い表情をしているのが横顔からでもうかがえた。

以下略 AAS



51: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:36:40.39 ID:8ENUCYV1O

部屋にはいってきた眼鏡の男と女性役員の目が合った。女性役員のほうが眼鏡の男よりはやく進み出て、自分とあとの二名の紹介をする。


美城「美城プロダクション専務の美城と申します。弊社部長の今西、新田美波参加プロジェクトのプロデューサーも同席しております。失礼ですが、厚生労働省から派遣された方でよろしかったでしょうか?」
以下略 AAS



52: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:37:54.97 ID:8ENUCYV1O

美城「もちろんです。よろしければ聴取が終わった後、今後の対応について助言を頂くことは可能でしょうか? なにしろこのような事態は弊社にとっても初めてなので」

戸崎「どのような対応をお考えで?」

以下略 AAS



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