52: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:37:54.97 ID:8ENUCYV1O
美城「もちろんです。よろしければ聴取が終わった後、今後の対応について助言を頂くことは可能でしょうか? なにしろこのような事態は弊社にとっても初めてなので」
戸崎「どのような対応をお考えで?」
美城「弊社は芸能プロダクションです。マスコミの前に晒さられるのは、まず弊社所属のアイドルたちになるでしょう。そのほとんどが未成年者であり、今回の事態の重大性について十分な理解があるとは言えません。彼女たちの不用意な発言が弊社のイメージを損なうおそれもあるでしょう。そこで、弊社としましては早い段階で社の内外に対して事態への対応姿勢をアピールしたいのです」
戸崎「その具体的な方法は? 記者会見などを行うのですか?」
美城「ええ。すでに明後日の正午に会見が行われるようセッティングし、マスコミ各社へも通達済みです。多くの人間が会見を見ることになるでしょう。弊社の人間がその場に現れるとなればなおさら」
戸崎は美城が何を言いたいのか理解した。これは亜人管理委員会にとってもメリットのある話だった。もし記者会見の場に永井圭の姉が現れれば、多くの人間がそれを見ることになるだろう。正午に中継され、夕方のニュースで放送され、翌日にもまた流される新田美波の映像。隠しきれない沈痛を顔に浮かべながら、気丈に弟の安否を気遣う姿。
協力者がいるとはいえ、日本中がその行方を捜索している孤立状態の亜人にとって、肉親の訴えはどれほど効果的だろうか。内容によっては自ら出頭することも考えるかもしれない。二人の利害は一致した。
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