47: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:30:58.14 ID:8ENUCYV1O
テレビリポーターや記者たちの活動がもっとも活発になったのは永井圭が協力者とともに警察から逃亡したという情報がもたらされた午後八時過ぎのことだった。記者たちはプロダクションに出入りする人間すべてに詰め寄り、マイクやICレコーダーを突きつけ内容などなんでもいいからとにかくしゃべってくれとうるさくせっついていた。増員された警察官によって記者たちの動きが抑えられたのはついさっきのことで、現場の整理を指示していた刑事は、記者たちが地面から生えてきた有象無象にみえて仕方がなかった。
ーー放っておいたらどんどんつけあがる奴らだ。まったく。奴らをみてると報道とタレコミの違いがわからなくなってくる。奴らがほんとにアスファルトでできてたらよかったのに。それなら躊躇ってものは必要なくなる!ーー
警官が防波堤の役目を果たしはじめたころ、社員たちはようやく帰宅できるようになった。なかには強引に記者たちの群れをかき分けて帰っていく者もいたが、たいていはエントランスで様子をうかがっていたり、部署にもどり効率悪く残業したりしていた。
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