126: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 22:44:19.21 ID:NJ9NkxEDO
今日はここまで。
ほんとは19日の日曜日に更新するつもりでしたが、更新する分のテキストを全消ししてしまい今日になっちゃいました。
127: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:16:17.97 ID:4YLo7u+WO
IBM『人間ぶってやがった……わけか……』
曲げていた膝を伸ばし、ベットの上に立ち上がった黒い幽霊は復活した下村を見下ろしていた。下村は視線を幽霊から外さないまま腕を後ろに回し、穴の開いたスーツのジャケットの袖から腕を抜いた。右手首から袖からするっと抜けると重みが偏り、スーツはブランコのように弧を描いたが、下村は床に落ちる直前に左手首をくっと振って、足で踏みつけないようにスーツを壁の方に投げた。赤く汚れた腹部があらわになった。
128: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:17:03.08 ID:4YLo7u+WO
IBM『ゾッとするだろ! おい!!』
129: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:18:05.82 ID:4YLo7u+WO
田中 (どおすんだあ、この場合……これ同士の戦い方は教わってねえぞ)
130: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:19:43.54 ID:4YLo7u+WO
三角形をした頭部は床に落ちなかった。切り離され、重みで後ろに落ちていくその直前で頭部は空中で静止し、首の断面から磁力のような引っ張り合う力が発生しているのか、元の位置まで戻った。
下村 (……っ、なんでもやってるみるしかないか……!)
131: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:20:42.80 ID:4YLo7u+WO
リンクしていた視界の半分が消えたが、異変はそれだけではなかった。
田中 (なんだ……? 再生しねーじゃーか……!?)
132: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:22:31.58 ID:4YLo7u+WO
下村の幽霊の右手の手首から先も同様になくなっていて、そこから物質の崩壊が観察できた。
下村 (相殺……!? なら、打撃が……有効……!?)
133: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:23:17.19 ID:4YLo7u+WO
田中「あら? 途切れた!」
病院前のベンチに座っていた田中が叫んだ。目の覆いを外し、拳を握ってベンチを殴りつける。田中のいらだちに反応する者は周囲に誰もおらず、蝉が鳴き喚くほかには目の前の道路を二三台、車が通り過ぎていくだけだった。しばらくして、いらだたしさをおさめたあと、田中は下唇を指で引っ張りながら考え込み、さきほどの戦闘について振り返った。
134: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:24:40.63 ID:4YLo7u+WO
病室で、自律を失った田中の幽霊を見下ろしながら、下村が息をついた。
下村「ふぅ……」
135: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:26:01.79 ID:4YLo7u+WO
下村は視線を前方に戻した。ベットの上に窪みが見えた。その窪みの上にいたはずの慧理子はいなかった。
下村「! くっ、そ……!」
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