新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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127: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:16:17.97 ID:4YLo7u+WO

IBM『人間ぶってやがった……わけか……』


曲げていた膝を伸ばし、ベットの上に立ち上がった黒い幽霊は復活した下村を見下ろしていた。下村は視線を幽霊から外さないまま腕を後ろに回し、穴の開いたスーツのジャケットの袖から腕を抜いた。右手首から袖からするっと抜けると重みが偏り、スーツはブランコのように弧を描いたが、下村は床に落ちる直前に左手首をくっと振って、足で踏みつけないようにスーツを壁の方に投げた。赤く汚れた腹部があらわになった。


IBM『知ってるか? 亜人は大きな肉片を核に散らばった肉片を集め再生する。だが、遠くに行き過ぎた肉片は回収されず新しく作られる。もしそれが、頭だったら?』


下村の動作を見ていた幽霊は、ゆらゆらしながら身体の向きを調節した。幽霊の身体は窓から射し込む逆光を隠したが、黒さは変わらなかった。
シーツとマットレスを間に挟んで、ベットの上と下に、慧理子と美波の姉妹がどちらも窓のある壁の方を向いて倒れていた。



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