135: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:26:01.79 ID:4YLo7u+WO
下村は視線を前方に戻した。ベットの上に窪みが見えた。その窪みの上にいたはずの慧理子はいなかった。
下村「! くっ、そ……!」
下村は爪が手のひらに食い込むほど、強く拳を握り締めた。
下村 (あいつは、オトリ……)
下村「もうひとりいたのか……!」
窓にかかっていたレースカーテンは窓の端のところまで引かれて束になって集まっていた。遮るのものがなくなった陽射しが窓からまともに入り込んできた。そこから見える風景は病院に到着したときと同様何の変哲もなく、遠くに青みがかかった山が見えるくらいの風景からもたらされるものといえば、暑気と蝉の声だけだった。
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