新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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136: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:26:51.69 ID:4YLo7u+WO

病院のベットの上で目覚めるというのは美波にとって初めての体験で、天井の灯りをまともに見てしまった。眼が光線を受け止めた瞬間、反射的に瞼を閉じると左のこめかみに痛みが走った。かなりの疼痛で声を出すのも躊躇われた。美波はしばらく目を閉じたままにして、痛みが落ち着いてからゆっくり瞼を開けてみたが、眼に見える光景には見覚えがなく、視覚が機能していてもそれが認識に結びつかなかった。眼が覚めた瞬間、自分のいる場所に見覚えがまったくないと人はとてつもなく不安になり、危険とさえ思えてくる。美波もそうだった。視界が焦点を結び像を描く、白くのっぺりした天井とシルバーに光っているポールタイプのカーテンレールと薄いライトグリーンをしたカーテンの上部が見えて、病院の診療室めいてみえたが実際に診療室だった。

眩しくて眼を光から避けようと視線を下げると薄いライトグリーンで視野いっぱいになった。じゅわじゅわと浸透するように居残る痛みを揉みほぐしたかったが手を顔まで持ってくるのが億劫で、美波はしかめた表情を作るときみたいに顔の筋肉を動かしてその代わりにしようとした。



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