133: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/08(土) 21:23:17.19 ID:4YLo7u+WO
田中「あら? 途切れた!」
病院前のベンチに座っていた田中が叫んだ。目の覆いを外し、拳を握ってベンチを殴りつける。田中のいらだちに反応する者は周囲に誰もおらず、蝉が鳴き喚くほかには目の前の道路を二三台、車が通り過ぎていくだけだった。しばらくして、いらだたしさをおさめたあと、田中は下唇を指で引っ張りながら考え込み、さきほどの戦闘について振り返った。
田中 「やはり頭が弱点だったか……考えは間違ってなかったが……切っても意味なし、打撃による粉砕か……」
田中が考え込んでいるあいだ、歩道に植えられている街路樹の緑の葉っぱがそよと吹き抜ける風に、さわさわと涼しげな音をたてながら揺れた。歩道にかかる光と影のモザイク模様も葉っぱの動きにあわせてちらちらしていた。ちらちらした影の動きは風とともに止まり、そのころには田中の気持ちは切り替わっており、歯のあいだから息を洩らすように笑っていた。
田中「勉強になったぜ」
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