420: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/03/06(金) 06:27:10.62 ID:FJvn9tXJO
ほむら「──ッ!?」
ほむらの全身が強張った。
息をすることすら忘れ、杏子の台詞を反芻する。
421: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/03/08(日) 13:34:20.04 ID:wGdW5X1X0
数秒の沈黙の後、杏子が口を開いた。
杏子「ポーカーフェイスはさすがだがな。普段から無表情だから、逆にわずかな変化も浮き上がってしまうってもんさ。隠すなら、むしろ常に表情を作っておくべきだ」
ほむら「……っ」
422: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/03/08(日) 13:36:40.25 ID:wGdW5X1X0
杏子「お前には結末がわかってるんだろ。聞かせろよ、さやかを元に戻そうとすると、あたしはどうなるんだ?」
おそらく、杏子はわかっているのだろう。
ほむらの目的──ワルプルギスの夜を倒すことと照らし合わせれば、答えは容易に導かれる。
423: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/05/13(水) 22:39:45.63 ID:k7/lCzN/0
杏子「さっき、確かにあたしはあんたを打ち負かしたが、あれははっきり言って偶然だった。少しでもタイミングが違っていれば、どうなっていたかわからない」
ほむら「……」
今思えば、あれもそうだ。
424: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/05/13(水) 22:42:08.95 ID:k7/lCzN/0
──幻惑魔法。
ほむら「いいえ、知っていたわ……でも」
知っていて、警戒していなかった理由。
425: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/07/09(木) 23:00:54.93 ID:F8rkEtqD0
ほむら「だから、能力を使えたというわけね。よくやるわ。うまく発動できるかも不安だったでしょうに」
杏子「……」
ほむら「あるいは、それだけさやかを助けたいという感情に自覚があったということかしら」
426: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/07/09(木) 23:04:31.16 ID:F8rkEtqD0
言葉の意味がわからない。
ほむら「どういう意味かしら」
杏子「お前の降参があまりにも早かったんだ。あたしの体感では、能力を発動させてから数秒ってとこだな」
427: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/07/09(木) 23:06:38.93 ID:F8rkEtqD0
ほむら「──!」
そこまで考えて、ほむらに衝撃が走った。
違う。杏子の能力じゃない。
428: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/09/21(月) 19:34:44.82 ID:tumhSjWG0
──そういうことか。
その結果生じた、不自然な時間のずれ──それが、杏子を真実へと導いた。
ほむらがあのとき、杏子のわずかな動揺に気付けていれば、あるいは……
429: ◆c6GooQ9piw[sage saga]
2020/09/21(月) 19:48:26.87 ID:tumhSjWG0
喜びにも似た感情が抑えきれなかった。
どうせ信じてもらえない。
もう不可能だと、もはや不必要だと思っていた。
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