64:11/13(お題:ケサランパサラン) ◆FLVUV.9phY[saga]
2016/02/21(日) 15:23:40.37 ID:MYDjQQS+o
「ふーん、人間ってよわっちいのね」
「身体能力的には最弱の生物とさえいえるね」
これは俺の持論である。
65:12/13(お題:ケサランパサラン) ◆FLVUV.9phY[saga]
2016/02/21(日) 15:24:19.50 ID:MYDjQQS+o
「ふふーん、そうでしょ。あたしは悪くないわ」
「あぁ、おまえは悪くないよ、初見から漂っていたポンコツ臭に気が付かなかった俺が悪いんだ」
「そうよ! あんたが悪いんだから……、ってぇ! 今あたしのことポンコツ呼ばわりしたわねぇ!?」
66:13/13(お題:ケサランパサラン) ◆FLVUV.9phY[saga]
2016/02/21(日) 15:24:57.44 ID:MYDjQQS+o
そうだった、あの時はというか今までも結局うちの杜でツチノコなんてものは一切発見できずにいるんだった。
ほんとに迷惑な奴だよ、ケサ子は。
そういえば、大体の事件の顛末はこんな感じの益体のなさだった。
67:14/13(お題:ケサランパサラン) ◆FLVUV.9phY[saga]
2016/02/21(日) 15:25:36.21 ID:MYDjQQS+o
以上です
お題くれた方ありがとうございました
68:名無しNIPPER[sage]
2016/02/21(日) 18:35:48.13 ID:1gA1f1zXo
乙乙
69:『パノプティコンの女王様(お題:クイーン)0/5』[sage]
2016/02/24(水) 19:11:36.93 ID:pgV1oSIqo
投下しまーす
70:『パノプティコンの女王様(お題:クイーン)1/5』[sage]
2016/02/24(水) 19:12:07.16 ID:pgV1oSIqo
1989年、ベルリンの壁が崩壊したその年に、台湾の屏東県である事件が起きた。それは実に奇妙な事件だっ
た。その現場にいた全員が笑顔だったことは間違いない。それはまさに熱狂の渦だった。紅潮した肌、額に浮か
ぶ汗。人々の歓声が沸き立ち、拍手喝采が巻き起こった。誰かが害を被ったわけではない。その事態に気付き、
最初に駆けつけた男性は「あれほど幸福と熱気に満ちあふれた刑務所は見たことが無い」と話している。とはい
え常識的に考えて、それは許されることではなかった。
71:『パノプティコンの女王様(お題:クイーン)2/5』[sage]
2016/02/24(水) 19:12:57.74 ID:pgV1oSIqo
刑務所は何も無い平地にぽつんと建っていた。外見はローマのコロッセオを思わせる平たい円柱形で、工場の
ような無骨な灰色だった。風の強く吹く地域だったため、終始雑草が左右に揺れ、砂埃が巻上って空気を黄色く
染めた。しかし刑務所だけが絵の具をべっとりと厚塗りした油絵のように微動だにしなかった。
「この刑務所はパノプティコン構造って言うんだよね」
60代と思われる禿げて太った所長がアイビーに説明した。
72:『パノプティコンの女王様(お題:クイーン)3/5』[sage]
2016/02/24(水) 19:13:32.17 ID:pgV1oSIqo
・・・・・
勤務開始から半年が過ぎたころから、アイビーはある囚人に悩まされるようになった。
大抵の囚人が寝転がったり、本を読んだり、手紙を書いたり、筋トレをしている中、その二階北北東に居る囚
人は終始灯台を見つめているのだ。もちろん、灯台の監視をからかうような連中は何人もいた。しかし無視を決
め込めば、すぐに飽きて無駄な体力を使わないようになった。
73:『パノプティコンの女王様(お題:クイーン)4/5』[sage]
2016/02/24(水) 19:14:01.21 ID:pgV1oSIqo
どうあっても彼らに指一本触れられることが無いアイビーはこの事態に恐怖心も覚えなかった。
むしろどこかくすぐられるような気持ちーーそれは彼女にとって初めての感情だったーーになった。いつの間
にか、わざと視線を向けずに焦らしたり、サービスしてウインクするようになった。そうすると檻の中の男たち
は大喜びしてみせる。見知らぬ快感の芽が胸の内に生まれ出て、急速に成長しつつあった。それは根を張り、葉
を広げ、今にも花びらを開くところだった。ことここに至り、異常性も忘れ、この現状を楽しむ自分がいること
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