勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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86:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:51:50.46 ID:09+TUdRc0
騎士「クッソ…! 離せぇッ!!」
騎士は己の腕を掴んで剣を固定する勇者の体を必死で蹴り飛ばした。
十全の状態の騎士ならば、それだけで勇者の体を爆散させることも可能だっただろう。
だが今は、二度の蹴りでようやく勇者の体から剣を引き抜くのがやっとという有様だった。
87:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:52:49.07 ID:09+TUdRc0
騎士は一度勇者に対して精霊剣・湖月を構えたが、ふっ、とその顔に笑みを浮かべると剣を下ろした。
騎士「参ったぜ、勇者。俺の負けだ」
そう言って、騎士はその場に座り込んでしまった。
88:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:53:30.80 ID:09+TUdRc0
勇者が真打・夜桜を一閃する。
騎士も応じて、精霊剣・湖月を振った。
勇者の胸が切り裂かれ、血が噴き出した。
騎士も同じ場所に傷を負い、仰向けに倒れる。
互いに致命傷だ。
89:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:54:11.77 ID:09+TUdRc0
後日談。
勇者が提案したこの一大作戦によって、魔王討伐は為された。
勇者達が騎士を抑え込んでいる間に、魔王城に潜入した各国の精鋭が見事魔王討伐を成し遂げたのだ。
無論、かつての『伝説の勇者』の一件を経て、人々は『大魔王』の存在を知っている。
だから、決して手放しで喜べることではないが―――世界はつかの間の平和を手に入れたのだ。
90:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:55:48.12 ID:09+TUdRc0
勇者は『滅びた国』の正門から町の中を覗き込んだ。
とある家の中から、年若い少年少女の手によって死体が運び出されていた。
死体は車輪のついた台車に乗せられ、町の奥へと運ばれていく。
恐らく町の奥に共同墓地の類を設けているのだろう。
孤児院で院長が言っていた『作業』とはこのことだった。
91:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:57:01.19 ID:09+TUdRc0
今回はここまで
92:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:58:03.33 ID:09+TUdRc0
やべ、最後にタイトルに「完」いれるの忘れとる ファック!!
93:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 20:01:29.91 ID:6E93bNZn0
乙。
騎士にも幸せになって欲しかったなぁ。とも思ったりもする。
94:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 20:40:45.44 ID:TycLmnA+O
お疲れ様
95:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 20:45:32.27 ID:TZIHYQngO
乙!
96:名無しNIPPER[sage]
2016/02/28(日) 21:20:25.28 ID:ie5f1KIto
大長編乙でした
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