勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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677: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:26:22.26 ID:uAQKxthS0
世界の中心、地球のへそというべき場所に存在する『世界樹の森』。
常人では決して到達することの出来ない、その森の最奥に勇者はいた。
膝ほどの高さの岩に腰かけ、目を閉じて瞑想している。
傍には半ばで折れた精霊剣・湖月が打ち捨てられていた。
伝説剣・覇王樹も血錆に塗れ、かつての輝きを失い、今はもうただの鈍らと化して転がっている。
678: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:27:13.90 ID:uAQKxthS0
『気づいたかね?』
勇者の脳裏に直接響いてくるのは『光の精霊』の声だ。
光の精霊『君ともあろうものが随分と迂闊だったな。いつもならば十里も寄れば気配を察知して即座に身を隠していたろうに。何者かに近づかれたぞ―――もはや視認することすら可能な位置にまで』
679: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:28:06.02 ID:uAQKxthS0
だけど、この女性が戦士であるはずはない。
三十年。三十年だ。
あれからもう三十年もの月日が経過している。
つまり戦士はもう五十歳に届こうかという年齢になっているはずだ。
目の前の女性の年代は二十の半ばから、どんなに多めに見積もっても三十の前半だ。
680: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:28:50.95 ID:uAQKxthS0
681: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:29:35.53 ID:uAQKxthS0
キーン、と響く耳鳴りに勇者は目を回す。
はっと我に返って、勇者は女性を振り返った。
勇者「戦士…? まさか、戦士なのか!?」
682: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:30:28.09 ID:uAQKxthS0
683: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:31:34.68 ID:uAQKxthS0
長い沈黙があった。
そして―――ぽたぽたと、勇者の頬から大粒の涙がこぼれ始めた。
勇者「お、俺は…俺は、自分が情けない……!」
684: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:32:36.22 ID:uAQKxthS0
685: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:33:18.26 ID:uAQKxthS0
686: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:34:24.56 ID:uAQKxthS0
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