勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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398:名無しNIPPER[sage]
2016/10/31(月) 14:51:21.81 ID:OUL5vPf3O
うおおおおおおお
399:名無しNIPPER
2016/11/02(水) 02:24:56.12 ID:Kgf0NpMUO
作品のクオリティの高さと遅筆な感じ(褒めてる)が相まって
ハンタ待ってる感覚に似てるわ
400:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:17:19.10 ID:ZSsiH8ra0
いつから自分は特別なのだと思い上がってしまったのかは曖昧だ。
401:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:17:50.73 ID:ZSsiH8ra0
402:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:18:27.68 ID:ZSsiH8ra0
彼の生まれは何の変哲もない農家だった。
由緒正しき騎士の家柄というわけでもない。名のある貴族の跡取りというわけでもない。
日々の営みの中で獣と対峙することはままあるけれど、彼は基本的に争いというものからは縁遠い立場にいるはずの人間だった。
403:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:19:04.17 ID:ZSsiH8ra0
さて、更なる転機が訪れたのは彼が王宮騎士団に召し抱えられて五年が経った時のこと。
隣国との小競り合いの最中、件の騎士団長が戦死した。
歴戦の勇士として名高かった騎士団長は、戦時の混乱の中、誰が放ったかもしれぬ流れ矢に倒れた。
404:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:19:37.82 ID:ZSsiH8ra0
騎士団長となった彼の活躍は目覚ましく、彼は周辺諸国との争いに悉く勝利し、『始まりの国』の平定に多大に貢献した。
彼はまさしく全ての戦に勝利した。こと武力という点において、彼に並び立つ者は存在しなかった。
その上、彼は政の分野でも類まれな才覚を披露した。かつて農民であった経験を持つ彼の助言は、時の為政者を大いに唸らせた。
405:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:20:05.03 ID:ZSsiH8ra0
彼は騎士団長に就任して間もなく、王宮内で給仕を務めていた女性と結婚した。
その女性との結婚に関しては、彼の同僚はおろか女性の家族、果ては女性自身からも反対されていた(曰く、身分が違いすぎるだの、恐れ多いだの)のだが、まあそれはともかく。
彼は彼自身が見初めた女性と結ばれ、さらにその間に男子を授かるなど、まさに幸せの絶頂にあったのだ。
406:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:20:39.02 ID:ZSsiH8ra0
彼の剣は彼の息子を切り裂き、彼の息子は死の淵を彷徨った。
一気に熱から覚めた彼は己の愚行を後悔し、激しい自己嫌悪に陥った。
しかしながら彼を責め立てたのは彼自身ばかりで、他の誰も彼を責めることはしなかった。
407:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:21:04.19 ID:ZSsiH8ra0
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