83: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/01(火) 00:57:04.06 ID:RkvSB8Q60
神機使いになる前の、何もできない、あるいは、何もしなかった自分。
父に言われるがまま従って、内心では使うことのない牙を研いでいた過去。
今まで乗り越えたつもりでいたけど、そうじゃなかった。
過去を忌避して、思い出そうとする度に振り払って、無意識の内に触れようとしないだけだった。
84: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/01(火) 00:59:56.90 ID:RkvSB8Q60
ロミオ脱走5秒前まで
言う程隊長とロミオって絡みないよなと思って付け足したら余計にロミオが嫌な奴になってしまった…
85: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:46:32.59 ID:gD1asC0l0
◇
「いやー、楽勝、楽勝!もう"ブラッド"に敵なしって感じ!」
その日何度目かの任務を終え、私達"ブラッド"は"アナグラ"に帰投していた。
86: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:48:49.36 ID:gD1asC0l0
「―――」
「……あぁ、もちろん副隊長の指示もいい感じだよ!」
87: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:50:54.00 ID:gD1asC0l0
数秒の沈黙の後、口火を切ったのはロミオだった。
「――やる気が、ないだと?」
「取り消せよ……」
88: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:52:33.34 ID:gD1asC0l0
◇
何時かと同じく、暗く沈んだ雰囲気のラウンジ。
窓から見える空には例の赤い積乱雲が広がっており、このイレギュラーの出現によって、ロミオの捜索は直前で打ち切られた。
ジュリウスにも既に連絡はしてあるけど、あちらもほとんど同じような状況だ。
89: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:54:07.34 ID:gD1asC0l0
「……現在、ロミオの扱いは脱走兵、ということになるのでしょうか」
「脱走兵……!?」
90: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:55:24.81 ID:gD1asC0l0
そして、神機使いのアラガミ化という事柄に敏感な男が、ここに一人。
「……おい、少し付き合え」
91: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:58:07.24 ID:gD1asC0l0
◇
「――失礼しました」
92: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:01:01.50 ID:KfQkdvPD0
それはともかく、役員区画の廊下に出た私は、改めてギルに用件を聞く。
「ま、大した用事じゃないんだがな……お前には何かと世話になってるし、まだ素直に話せると思ったんだ」
「……正直、アイツには言い過ぎたと思ってる。すまなかった」
93: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:03:12.14 ID:KfQkdvPD0
弟。
自分の耳を疑ったけど、ギルが目深に帽子を被り直している辺り、その発言は真実のようだった。
「……家では一人、グラスゴー支部には先輩の神機使いばかり」
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