589: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:41:56.03 ID:hFhRzfxk0
「ボクは」
「…?」
590: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:43:29.98 ID:hFhRzfxk0
――――
「ヤバくない!? あれ」
591: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:45:33.91 ID:hFhRzfxk0
「え、えぇ……今になってそんな重大なこと……」
久美子のショックが大きい。軽く背中をさすってやる。
592: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:47:00.42 ID:hFhRzfxk0
――――
着替え、ヘアセット、メイク直し。全て終わって第二控室に入ったアタシを迎えたのは、一年半ぶりのメンバー。
593: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:49:34.90 ID:hFhRzfxk0
「流石に今回は許してよ。まあ、ほら。このステージはね、私の夢なのよ」
「夢」
594: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:50:34.52 ID:hFhRzfxk0
「三十路もとっくに過ぎたって、社長の肩書があったって、膝が壊れてたって、私は」
四人と、そこに居合わせたスタッフたちの顔を見渡した礼子さんは、静かに、諭すように言葉を紡ぐ。
595: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:51:03.77 ID:hFhRzfxk0
アタシは、本番前だっていうのに、涙が止まらなかった。
596: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:52:11.28 ID:hFhRzfxk0
『全部投げ出して、全身全霊で夢を見る』
そんなこと、アタシは考えたことがなかった。
597: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:53:00.30 ID:hFhRzfxk0
礼子さんは、速水さんは、北条さんは、この事務所のみんなは、礼子さんが見込んだ人たちは、違う。
壁を恐れない。不可能を恐れない。戦うことを恐れない。
598: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:54:12.70 ID:hFhRzfxk0
アタシの流れる涙は、止まらない嗚咽は、きっと情熱が燃え上がる証だ。
今、はっきり思った。
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