過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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605: ◆1miRGmvwjU[saga sage]
2018/10/26(金) 00:48:10.31 ID:iOCbCrj80
>>604

【 ─── 上等な黒いビジネススーツに身を包み、淡い紺色のネクタイを締めたその男は、クルミの杖をついて現れる。】
【壮年の男であった。色素の抜けかけた黒髪をオールバックに撫で付け、余りを結んで背中に垂らしていた】
【気の抜けたように垂れる目尻をしていた。それは微笑であるようにも見て取れた。ただ焦茶色の双眸ばかり、酷く炯炯としていた】
以下略



606: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/10/26(金) 01:02:22.41 ID:E87c3u2Mo
>>605

【────、曰く "女狐"、曰く "魔女"、──── 聞く噂は悪辣に次ぐ悪辣、多くはデマや噂の範疇は超えないが】
【少女にも見えるその横顔、その年齢で "議員" である事そのものが、その存在の不気味さをかき立てる】
【前 "与党法務部長" ヨハネス=ロトゥノカイトが退任したのも、一説によると彼女の手腕であるとの事であったが】
以下略



607: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/10/26(金) 20:39:17.63 ID:He2YXqOA0
>>606

【老いたるダークブラウンの瞳孔に映り込んで、尚も儚げな乙女の実存。それでいて宿すのは、偏なフラジャイルのみならず】
【己れの持つ強かさと愛らしさを、十全に理解している人間の声音。 ─── 返されゆく言葉に、無精髭の顎先が小さな首肯を返す】
【成るほど高潔であると後藤は理解した。少なくともノヴレス・オブリージュの何たるかを解す女性であると認識した。然らば】
以下略



608: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/10/26(金) 21:17:32.20 ID:E87c3u2Mo
>>607

【徐に伸ばされた指先が虚をなぞる、暗示的なその所作に、形而上の思いを携えて、然るに濡れる】
【口元へと軽く終止符を、止めどなく流るる時に嫌われて、その美貌を久遠のものにしようと】
【──── 彼女は唇の端を微かに上げる、淑女の摘むスカートの裾程に、瀟洒な装いで】
以下略



609: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/10/26(金) 23:09:42.15 ID:iOCbCrj80
>>608

【「或いは心身二元論への反駁にも成るのでしょうかね。」 ── 人体は自ら発条を巻く機械であり、永久運動の生きた見本である】
【然して今や精神にのみ実在を得る虚神たちにとって、新たなる親和/神話によって得た肉体とは、如何許りの影響を与えたのか】
【語られる通り最早それは不可知であった。 ─── 仮説なき確かな事実は、嵯峨野鳴海を彼らは敵と見ているのだという害意。】
以下略



610: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/10/26(金) 23:25:34.74 ID:E87c3u2Mo
>>609

【イスラフィールは暫し、その書物について語るゴトウの姿を見ていた、辿る言葉は概ね真実を辿り】
【けれども所々に裏返しがあった、現実に沿って歩いていた筈が、いつの間にか虚構へと迷い着く様に】
【──── 何もおかしな事はない、ただメビウスの輪の如く、その二つが捻れて存在していただけだから】
以下略



611: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/10/26(金) 23:52:57.13 ID:iOCbCrj80
>>610

【行き交う言説は互いに落ち着いたものだった。 ─── 己れの立場に固執せず、ただ忌憚なく思考を交流させ、昇華を目指す】
【イスラフィールの言葉に小さく後藤は頷きを返した。重厚な頁の折り重なり、相違なく閉じられる紙幅の音】
【どこかに沈むような返答の声音は幾らか内省めいていた。 ─── 閉ざされた口先の音もなく開く、一拍の呼吸】
以下略



612: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/10/27(土) 00:09:17.91 ID:bKykhFXWo
>>611

【淡々と交わされる言葉の交錯は、一流の棋士同士の差し合いに似ていた、息の詰まるような攻防】
【けれどもそれは刃の重なりにはならない、寧ろそれは、互いに高め合う一種の芸術】
【──── 例えるのなら息のあったワルツ、交わる音色はシンフォニーとなり、世界を揺らす】
以下略



613: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/10/27(土) 00:31:28.04 ID:5HydpU1m0
>>612


「もっともよく彼の知悉する所でしょうな。身勝手な定義付けによって存在を措定され、人間には不必要な観念であると否定され」
「剰え自己の存在を認められる事もなく、彼の世界は滅んでしまった。 ─── 例え人の心なくとも、神の心を持っていたのなら」
以下略



614: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/10/27(土) 00:47:19.76 ID:bKykhFXWo
>>613

【──── ゴトウの言葉は力強かった、それ程までに部下に対し強い信頼を持っているのだろう】
【イスラフィールは目を細める、非合法に暖簾を垂らし、超法規を渡り歩く "外務八課" ────】
【その集団を率いる人間とは、斯くも ──── 部会に対し、強い思いを託せるのか、と】
以下略



615: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/10/27(土) 01:10:03.43 ID:+H3P4D9l0
>>614



「 …………… ふうむ。」「そういう事、ですか。」
以下略



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