異説 ひのきの棒と50G
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14: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:48:37.25 ID:VN/U1bqQ0


 空腹のあまり、街についてからのことはよく覚えていない。
 案内されるがままに、丘を登り、席につき、飯を喰らっていた。
 
以下略 AAS



15: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:49:09.19 ID:VN/U1bqQ0

 ご馳走に気を取られて、今の今まで気づかなかった。
 この土地の慣習か何か知らないが、置いてあるのだから貰っておこう。
 俺は、ためらいなくそれを懐に納める。

以下略 AAS



16: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:49:42.22 ID:VN/U1bqQ0

 領主のことを「お館さま」と呼び、食事を勧めるホストのような振る舞い。
 察するに、デブはこの館の人間だろう。
 しかし、どうして館の人間が俺達のような流れ者と席を同じくしている。
 周りを見渡しても、どいつもこいつも薄汚れて生気のない顔で飯を貪っている。
以下略 AAS



17: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:50:13.48 ID:VN/U1bqQ0

「おいデブ! 酒はないのか?」

 デブは、目を細めこちらを睨みつけてきたが、悲しいかな少しも恐ろしくない。
 
以下略 AAS



18: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:50:52.04 ID:VN/U1bqQ0

「月が出る頃には、魔物の軍勢は街を囲うだろう」

「お館様……」

以下略 AAS



19: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:51:22.48 ID:VN/U1bqQ0

「さて、そこのお前」

 領主の青みがかった目が、俺の濁ったそれと交錯する。

以下略 AAS



20: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:51:58.21 ID:VN/U1bqQ0

「悪いが、剣や槍は既に枯れた。だが、代わりになるものを用意した」

 領主が、テーブルナイフを握り俺の眉間に向ける。
 思わずギョッとするが、向けられているのは俺の頭の先だ。
以下略 AAS



21: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:52:30.42 ID:VN/U1bqQ0

 くそ、酒が欲しい。この震えを止めるにはもうそれしかない。

「やります」

以下略 AAS



22: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:53:44.40 ID:VN/U1bqQ0

 俺は、愕然としていた。
 どうしてそんな恐ろしいことが言える。
 魔物の恐ろしさは、お前だって知っているはずだ。

以下略 AAS



23: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:54:14.78 ID:VN/U1bqQ0

「……領主さまが問題にしているのは、お前がまだガキだってことだ」 
 
 俺の言葉に、ガキが口を真一文字に結んだ。
 どうして俺は、領主に助け舟を出しているのだろうか。
以下略 AAS



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