18: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:50:52.04 ID:VN/U1bqQ0
「月が出る頃には、魔物の軍勢は街を囲うだろう」
「お館様……」
デブが、女のように震えた声をあげる。
怖いのは、お館様か魔物の軍勢か。考えるまでもなく後者であろう。
仲間を蹂躙された夜のことを思い起こす。
あの筆舌尽くしがたい恐ろしさは、戦士を幼い少女に変えてもおかしくない。
「じゃあ、今晩は戦になるのですか?」
ガキの物怖じしない問いかけ。
「私も飯がまだなのだ」
それを無視して、領主は手を前後に振った。
その所作に、デブが肩を縮こませ机の端に寄る。
領主は、愉快げに頬を緩ませデブの隣に座った。
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