17: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:50:13.48 ID:VN/U1bqQ0
「おいデブ! 酒はないのか?」
デブは、目を細めこちらを睨みつけてきたが、悲しいかな少しも恐ろしくない。
「お館様のご指示だ。今宵の晩餐に、酒は供されない」
今宵の晩餐と来やがった。
その気取った言いぶりに、苛立ちが増す。
「物見から早馬が来た」
その声が、背後からかけられていなければ、俺はデブの鼻面を潰していたことだろう。
静かながらも力のこもった声だった。
振り返ると、青く染められたチュニックに妙に太い剣鞘を下げたブロンド髪の男が、居丈高に立っていた。
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