16: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:49:42.22 ID:VN/U1bqQ0
領主のことを「お館さま」と呼び、食事を勧めるホストのような振る舞い。
察するに、デブはこの館の人間だろう。
しかし、どうして館の人間が俺達のような流れ者と席を同じくしている。
周りを見渡しても、どいつもこいつも薄汚れて生気のない顔で飯を貪っている。
魔物に追われ街にたどり着いた、ここにいるのはそういう連中ばかりのはずだ。
いや、そもそも、このご馳走は何なんだ。
お貴族様が食べてそうな豪華な料理を、どうして流れ者に振舞える。
そう考えると、机に無造作に置かれていた銅貨にも疑念が湧いてくる。
くそったれ。
空腹のせいで回らなかった頭が、満たされた途端に不安を煽りだしやがった。
喉が渇く。酒はないのか。
机に置かれた水差しからジョッキに注ぐ。
一気に飲み干すが、中身は水であった。
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