クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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36:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:16:55.82 ID:N7O5Yt45O
「お嬢の話を聞く限り、その山田って子には田中ちゃんに対する恋愛感情は無さそうだからひとまず浮気される心配はないと思うよ」
ただどうもおかしい。佐竹が山田をけしかけた理由はなんだ。てめーが田中を介抱すりゃ済んだ話だ。わざわざ山田をお嬢に接近させて、お嬢の至らない点を指摘させた。ある種の信頼関係を築いた。となるとその狙いは。
「まあ、お嬢にタメ張れるような奴が現れたことは良かったと思うね。また入学したての時のように暴走されたらこっちも大変だし」
37:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:19:47.22 ID:N7O5Yt45O
「それは……嫌だ」
「は? なんで?」
「田中はあたしのものだから嫌だ」
へえ。これは予想外だ。そして良くない傾向だ。なんだよ佐竹のガキ。これが本当の狙いかよ。これを知ったからには看過出来ない。
38:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:23:19.35 ID:N7O5Yt45O
「ん……わかった。今度田中に聞いておく」
「ご理解感謝します……よーし飲み直すぞ。もっと田中ちゃんについて聞かせてくれ」
「うん。田中はこんなかわいい顔をしてても意外とスケベであたしの生足をチラチラ見てくるんだ。もちろん触らせたりなんかはしない。でも田中はずる賢いから「肩車しようか」なんて言ってくる。本当にスケベなんだ。もちろん断ったというか、あたしは背が高いからそのぶんどうしても重くて田中に「痩せろデブ」なんて言われたらまた暴れて停学処分になるかも知れないし、そもそも太ってないし。だからあたしが田中を肩車して……」
まあ、どのみち先の話だ。とりあえずはスパルタ教育で良い大学にぶち込んで、それからうちに就職。そのあとは好きにすればいい。
39:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:05:17.30 ID:tXlGNfuHO
「ねえねえ、ヒマならオレらと遊ばない?」
「てか、歳いくつ? どこ中? 彼氏いる?」
すっかり秋めいて、街路樹の色づいた葉が落ち始めてきた今日この頃。皆様は如何お過ごしでしょうか。僕は有栖川に連絡を貰って、指定された待ち合わせ場所で中学生の坊やたちに絶賛ナンパされています。困ったなぁ。
40:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:07:14.02 ID:tXlGNfuHO
「言葉も通じない動物園児は嫌いだよ。あたしはサンゴちゃんに恋するのを推奨してんだ。今お前らがナンパしてるこの子のどこにサンゴちゃん要素がある? ん? サンゴちゃんに似てるのはこの子を毛嫌いしてる山田ってガキだからナンパすんならそっちに行きな」
「チッわけわかんねーこと言いやがって!」
「ちょっとキレイだからって調子乗んな!」
喚き出した子供たちにずいっと顔を近づけ。
41:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:09:44.67 ID:tXlGNfuHO
「安全運転を心がけますのでご安心下さい」
滑らかに走り出す車。魔法の絨毯みたいだ。
「あの……すみません。どちら様ですか?」
42:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:12:33.28 ID:tXlGNfuHO
undefined
43:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:14:30.22 ID:tXlGNfuHO
「はぁー楽しかった。ありがとうカヤさん」
「気に入って頂けたなら幸いです。そろそろお屋敷に到着します。ようこそ有栖川邸へ」
閑静な住宅地の丘の上に僕らの暮らす街を見下ろすように有栖川のおうちが建っていた。
立派な門を潜り敷地内に入ってもまだ建屋には辿り着かない。広い庭園が迷路のようだ。
44:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:17:31.86 ID:tXlGNfuHO
「あー……カヤちゃん、ちょっとちょっと」
「はい、旦那様。如何なされましたか?」
「あの子がうちの子の彼氏? かれぴっぴ?」
「はい。田中様がお嬢様のかれぴっぴです」
「なんかイメージと違うんだけど……?」
45:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:19:40.84 ID:tXlGNfuHO
「有栖川、僕だよ」
ノックして訪ねる。すると内側から開いた。
「お、おかえりなさいませ……だんにゃ様」
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