クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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43:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:14:30.22 ID:tXlGNfuHO
「はぁー楽しかった。ありがとうカヤさん」
「気に入って頂けたなら幸いです。そろそろお屋敷に到着します。ようこそ有栖川邸へ」
閑静な住宅地の丘の上に僕らの暮らす街を見下ろすように有栖川のおうちが建っていた。
立派な門を潜り敷地内に入ってもまだ建屋には辿り着かない。広い庭園が迷路のようだ。
「はえー……ここが有栖川のおうちかぁー」
「どうでしょう。お気に召されましたか?」
「気に入るも何もただただすごいなとしか」
「そのうち、田中様のお庭になるのですよ」
「へ?」
「到着しました。足元にお気をつけて降車下さい。本日の運転はカヤでお届けしました」
「あ、はい。運転ありがとうございました」
広い玄関口の前に降ろされて、半ば途方に暮れていると、カヤさんがテキパキとスリッパを出してくれて、それに履き替えた、直後。
「ついに来たか。最愛の娘を私から奪い去ろうという愚か者が。この時を待っていたぞ」
カツンカツンとタイタニック号のような大階段から聞こえる足音。声だけで伝わる圧倒的強者の威厳、風格、圧迫感。ごくりと喉が鳴り、手が震える。土下座の準備は出来てる。
「父親として一度は言ってみたかったこの台詞! 貴様なんぞにうちの娘はやら……ん?」
目が合った。優しい目だ。ぱちくりしてる。
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