23:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 21:00:19.32 ID:K7oSWg9M0
思い返すほどあれは奇妙なものだ。
きっかけは地震と思われる。
蘭子がこれまで体験したことがないほどの強い揺れを感じた後、あれは現れた。
答えが出ない。
24:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 21:16:04.91 ID:K7oSWg9M0
それはかつて私が感じた振動だった。
横に、縦に、もはや地震というより、空間そのものが前後しているような感覚。
肉体を臓腑からかき乱すようなそれに、私はとうとう転げた。
アスファルトの舗装道路が割れる。どこかで高く悲鳴が聞こえた。どこからか落ちてきたガラスが私のすぐ脇に落ち、砕ける。
その一片が私の頬を掠めた。
25:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 21:46:05.71 ID:K7oSWg9M0
「なんだ……今の声は」
ふと低く男の声が鳴った。となりである。見ると、線の細い、中庸な男が床に手を付いていた。アイボリーのパーカー、ジーンズ、ウエストバッグを着ている。
「なんでしょうか」
とりあえず返事をしてみたら、思いのほか深刻な声がでた。のどがからからに乾いて、冷や汗が止まらない。自分でもそうとわかるのだから、傍から見れば相当なのではないか。とにかく、私は追い詰められていた。
この後、正しければ……
26:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 22:11:07.25 ID:K7oSWg9M0
サイレン音、叫び声、何かが激しく落下する音。
突然街は喧騒に包まれた。
入り組んだ路地の一本から主婦らしい女が走り出る。
全力疾走だ。後ろから無数の人間が__
__もう、きっとそうなのだろう。無数のゾンビ共が、群れを成して女を追いかけまわしている。バイクに乗っている時間はない。
27:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 22:25:44.87 ID:K7oSWg9M0
睡眠します。
蘭子「これは>>28で打開するしかない……!」
28:名無しNIPPER[sage saga]
2022/04/09(土) 00:05:31.65 ID:DRNAenx/0
とにかく駆け抜ける。もし危なくなったらマチェットで応戦。
29:名無しNIPPER[saga]
2022/04/09(土) 09:09:25.32 ID:MLTq+wt20
既に賽は投げられている。後方に無数のゾンビ。前方に少数のゾンビとなれば、どちらに生還の望みがあるかは天秤にかけるまでもない。今から速度を殺して別の道に進もうとすれば、その隙に追いつかれるかもわからない。
私は腰に佩いたマチェットの柄を握り込む。
ハイカーボン鋼バロンマチェット。500グラム。切っ先片刃、鋭い。
重さが足りないかも知れなかった。
女性の細腕にも扱えて、取り回しの易さに殺傷能力まで備わっている。確かに逸品には違いないが、終末の世でゾンビ相手に一騎駆けるには些か心もとないだろう。元より致命傷を負って動き回っている個体も存在するのだ。
30:名無しNIPPER[saga]
2022/04/09(土) 09:14:34.99 ID:MLTq+wt20
訂正 ×凄まじいアドレナリンの奔流に圧倒された私は 〇私は極限状態から解放された虚脱感と、死線を切り抜けた達成感でいっぱいになり、
31:名無しNIPPER[sage]
2022/04/09(土) 09:18:34.07 ID:ZDahLyB80
年度始めの忙しい時期に貴重な週末を
こんなんで潰すとかどんだけ暇なんだよ
32:名無しNIPPER[saga]
2022/04/09(土) 10:18:37.17 ID:MLTq+wt20
筆が止まったので安価出します!!!
喫緊の危殆を切り抜けた蘭子に、ある出会いが訪れる……!
蘭子が出会った“何か”とは!?>>33
33:名無しNIPPER[sage]
2022/04/09(土) 10:24:30.63 ID:88EAp5Z00
最近の安価モノは三日坊主以上に一晩すらもたない立て逃げが多いからな
ここも週末でうやむやに蒸発するとみた
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