安価でSSを書かせて頂きます
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24:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 21:16:04.91 ID:K7oSWg9M0
それはかつて私が感じた振動だった。
横に、縦に、もはや地震というより、空間そのものが前後しているような感覚。
肉体を臓腑からかき乱すようなそれに、私はとうとう転げた。
アスファルトの舗装道路が割れる。どこかで高く悲鳴が聞こえた。どこからか落ちてきたガラスが私のすぐ脇に落ち、砕ける。
その一片が私の頬を掠めた。

もはやなりふり構ってはいられなかった。
終末などいっている暇もなく、とにかく今生きることに全力を注がなければならない。
すぐそばにあった立体駐車場がよかった。
そこなら落下物に気を病む必要はない。
揺れが収まるまで、身を守ることができる。
しばらくすると収まってきた。
それと同時に私は絶望を感じる。
あの悪夢が、懸念が、現実となってしまった、という絶望。
決して立証されてはならない仮説が立証されてしまった……
蹲る私の耳に、尋常ならざる大音声が飛び込んできた。
断末魔に似ている。


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