ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」「「消えた!!?」」
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1: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:25:44.81 ID:7TpWqrtf0
 2112年9月3日

 猫型ロボット:ドラえもんの製造年月日である。

 これはそれより90年も前の話。





 野比のび太は小学四年生、夏休みの宿題をひーこら泣きながら、ドラえもんに手伝ってもらいつつ、なんとか間に合わせて先生の怒鳴り声を聞かずに済んだのが一昨日の話である。
 のび太は忘れっぽい。だから疲れや恨みなどもすぐ忘れる。昨日もスネ夫に夏休みの海外旅行を自慢され、ジャイアンに特に理由なく殴られ、しずかちゃんはのび太より出木杉と遊ぶことを選び、腹がたって石を蹴ったら野良犬に当たって追いかけ回されたことも、眠ってしまえば大概忘れてしまう。おかげで進歩がない。
 でも、今日という日はのび太でも忘れなかった。先生の教科書の朗読の声も上の空に、のび太は今日を想う。


 ――ドラえもんの、誕生日。


 のび太にとって、ドラえもんは家族で、頼れる保護者で、おっちょこちょいで肝心な時に役に立たない、大事な大事な親友だ。
 だから、ドラえもんがロボットであろうと、今日はドラえもんの誕生日なのだ。
 プレゼントは決まっている。高級ドラ焼きだ。ドラえもんは甘すぎるドラ焼きは邪道だの、なかなか味にこだわっている。その中で、前にお中元でもらった有名なお菓子屋さんのドラ焼きを最高だ最高だと褒めていた。だからその、有名なお菓子屋さんのドラ焼きをたくさん買ってきてあげようと、のび太はポケットの中になけなしの小遣いの入った貯金箱を割って出てきた小銭全部を入れて、帰りに買おうと決めていた。

(ドラえもん、喜ぶだろうな)

 大好きなドラ焼きをむしゃむしゃと頬張り、涙を流しがらありがとうありがとうと喜ぶドラえもんの顔が、今から浮かんでニヤニヤしてしまう。
 結果。
 当然のように先生に見咎められ、叱られ、廊下に立たされた。


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2: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:28:25.04 ID:7TpWqrtf0

「お兄ちゃん!」

 部屋で漫画を読んでいるドラえもんに、呼びかける声がした。だけど姿がない。

以下略 AAS



3: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:29:09.22 ID:7TpWqrtf0

「ふふふふふ〜ん♪」

 いつも運がないだの間抜けだののろまだのと言われるのび太だが、今日は放課後になった瞬間にさっとランドセルをとってジャイアンや野良犬から逃げるのと同じぐらい早く素早く学校を出た。
 いつもこうなら、体育の成績はもう少し上がるだろうに、本人はまったくやる気がない。
以下略 AAS



4: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:30:21.05 ID:7TpWqrtf0

シン、となった机の前で、ドラえもんは立ち尽くしていた。

(逃げろ、って……?)

以下略 AAS



5: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:30:49.13 ID:7TpWqrtf0

「ここだね?」

「ええ」

以下略 AAS



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