ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」「「消えた!!?」」
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◆86inwKqtElvs
[saga]
2022/02/10(木) 21:29:09.22 ID:7TpWqrtf0
「ふふふふふ〜ん♪」
いつも運がないだの間抜けだののろまだのと言われるのび太だが、今日は放課後になった瞬間にさっとランドセルをとってジャイアンや野良犬から逃げるのと同じぐらい早く素早く学校を出た。
いつもこうなら、体育の成績はもう少し上がるだろうに、本人はまったくやる気がない。
「あら、のび太さん」
「あ、しずかちゃん!」
珍しく急いでいるのび太が気になったのか、しずかが呼び止めた。
「どうしたの? 急いじゃって」
「うん。今日は、ドラえもんの誕生日なんだ!」
「あ、そっか。ドラちゃんの誕生日だったわね。そうだ、今日帰ったらケーキを焼いて、のび太さん家に行くわ! いいかしら?」
「もちろんだよ! ボクはドラ焼きをたっくさん買って、ドラえもんにプレゼントするんだ!」
自分のことのように嬉しそうに話すのび太に、しずかの顔も自然と綻んだ。
「少し時間がかかっちゃうかもしれないけど……」
「しずかちゃんが手作りしてくれるんなら、なんだっていいよ! ドラえもん、何でも食べちゃうからさ!」
「まあ。うふふ、じゃあむしろ、パーティにしない? 私の家でよければ」
「え? いいの!?」
「勿論!」
「そうだね……そっちの方が喜ぶよね!」
「武さんやスネ夫さんも呼ばないと」
う、と一瞬固まったのび太だったが、ドラえもんのバースデーパーティーで意地悪されるようなことはないだろうと思い直し、
「わかった、メンバーは多い方がいいもんね! ボク、誘ってくる!」
そう言って、のび太は校庭から校舎へと引き返した。
そして、校舎に入る少し手前で、
のび太の姿が掻き消えた。
「………!?」
しずかは今、見た光景が理解できずにいた。
(消えた、わよね。今)
ただ、今までドラえもんの不思議な道具を散々見てきたしずかは、当然のように『何か不思議なことが起こった』ことを理解した。
(ドラちゃんに言わなきゃ!)
これも当然の帰結として、しずかはのび太の家に急いだ。
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