ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」「「消えた!!?」」
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5: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:30:49.13 ID:7TpWqrtf0

「ここだね?」

「ええ」

 ドラえもんはしずかに再度確認する。下校途中の生徒たちが訝しげにこちらを見ているが、気にしてはいられなかった。
 四次元ポケットから測定器を取り出し、数値を図っていく。

「やっぱり……時空の揺らぎがある……」

「時空の揺らぎ?」

「前に、時空乱流で突然人が行方不明になった話をしたこと、覚えてるかい?」

 しずかは頷いた。
 世界中で起きている、突如人が忽然と消えてしまう神隠しの現象。古今東西で起きているその現象の数パーセントは、時空乱流に巻き込まれ、過去や未来に飛ばされてしまうことで起きている。

「のび太さんも、時空乱流に巻き込まれたの?」

「わからない。でもだとしたら大変だぞ……!」

「ククルさんは、七万年の時間を移動したのよね……のび太さんも?」

「わからない。ククルは運良く出口がこの時間に繋がったけど、ほとんどの場合は永久に亜空間を彷徨うことになる」

「そんな……! 早く助けに行かないと!!」

「無理なんだよ!!」

 ドラえもんは泣きながら時間や空間に関する道具が使えなくなっていることを、しずかに説明する。
 事態を理解し、しずかも顔が真っ青になっていった。

「そんな……!?」

「うわああああん!! のび太くーん!! バカでドジでのろまで運が悪いのは知っていたけど本当に運が悪すぎるよぉぉぉ!!」

 泣き叫んで衆目を集めてしまっていたドラえもんだったが、ピタ、と動作が止まった。

「待てよ……? 運の問題なのかな?」

「ドラちゃん?」

「…………」

 ドラえもんは考え込んでしまった。しずかは声をかけるにかけられずにいる。

「おーい、何やってんだ?」

「あ、武さん! スネ夫さんも!」

 ジャイアンとスネ夫が駆け寄ってくる。学校の玄関にドラえもんがいるという滅多にない状況に加え、ドラえもんが難しい顔で考え込んでいるのを見て、『何かよくわからないけどとりあえず大変なことが起こったらしい』というのは雰囲気で分かったようだった。

「のび太はどうしたんだよ?」

「それが……」

 しずかが断片的に説明をしている間にも、ドラえもんは考え込んでいる。

「……というわけなの。詳しいことはまだ全然わからないんだけど」

「そ、それって大変じゃねぇのか!?」

「ったく、なんでいつもいつもあいつはワケわかんないことに巻き込まれるんだよ!」

「みんな! ボク達の家に来てくれ!」

 突然、ドラえもんが声を張り上げ、ジャイアンとスネ夫にも当然のようにタケコプターが渡された。

 飛び立ったドラえもんを追いかけるように、三人はタケコプターのスイッチを押した。





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