3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:53:03.31 ID:vPGydQ4T0
「お、落ちつけってスカーレット。ショックなのはわかるけど、そんなに怒ったりしなくたっていいだろ?」
ああ、ウオッカ。アタシはアンタを勘違いしていた。
アンタもトレーナーの筆舌に尽くしがたい行為で心を痛めているのに、アタシを気遣ってくれるだなんて。
でも体を震わせて、顔を蒼ざめさせているその顔を見れば、心無いトレーナーたちの仕打ちにさらなる怒りを覚えるだけ。
4: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:53:58.14 ID:vPGydQ4T0
※ ※ ※
「失礼します」
5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:54:30.39 ID:vPGydQ4T0
硬直が解けるや否や、深々と頭を下げる。その潔さは良いけれど、頭を下げる相手はアタシではなくウオッカにでしょう。
だってアタシは、この男がくだらない話をしていたコトはどうだっていい。その話し相手がアイツだったコトが問題なのだ。
しかし負い目を感じてくれるのなら――
6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:56:16.49 ID:vPGydQ4T0
「俺は……俺はどうやってウオッカに謝れば……」
つい思いを馳《は》せていると、振り絞るようなしゃがれ声で我に返る。
「……取りなしてほしいですか?」
7: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:56:52.58 ID:vPGydQ4T0
※ ※ ※
「ちょっと物足りないけど、このぐらいにしておくか」
8: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:57:32.70 ID:vPGydQ4T0
「こんばんは、トレーナー」
「こんばんは、じゃないだろお前。寮の門限は過ぎてるだろ。いやそもそも、なんでお前俺の住所を知ってるんだ?」
「さあ、どうしてだと思う?」
9: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:58:41.81 ID:vPGydQ4T0
――
――――
――――――――
10: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:59:19.79 ID:vPGydQ4T0
「アタシほどじゃないけど、なかなかカワイイじゃない? 胸も大きいし、太ももの肉付きも良い。髪の毛は長い栗毛色。こういうのが好きなの?」
「いえ、あの……」
床に座っているこちらに対して、スカーレットは短いスカートで足を組んでいる。
11: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:59:54.48 ID:vPGydQ4T0
「ごめん……俺のせいで……こんな事するほど怒らせてしまって……本当にごめん」
「うん、うん」
問答無用で罰せられても仕方がない俺なんかの謝罪を、懺悔を。
12: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 07:00:38.15 ID:vPGydQ4T0
「ごめん、スカーレット。きっと俺が気に障る事をまた言ってしまったんだな」
「……」
「明日また改めて話し合おう。早く寮に帰らないと、エアグルーヴ先輩に怒られちゃうしな」
16Res/28.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20