12: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 07:00:38.15 ID:vPGydQ4T0
「ごめん、スカーレット。きっと俺が気に障る事をまた言ってしまったんだな」
「……」
「明日また改めて話し合おう。早く寮に帰らないと、エアグルーヴ先輩に怒られちゃうしな」
いつもの彼女に戻ってほしくて、スカーレットが尊敬する“女帝”の力を頼った。すると――
「……いい」
彼女はだだをこねる子どものように嫌がった。
「いいってお前、いいわけがないだろ。怒ると怖いんだろ、先輩?」
「……大丈夫。許可はもらったから」
「……は?」
許可って、何を?
話の流れを考えると、まさか夜間外出をか? あのエアグルーヴが?
「だからアタシは今夜、帰るつもりはない」
違った。外泊許可だった。
「おまっ……お前!? 何言ってんのかわかってんのか!?」
「……アンタの方こそ、自分が何をやったのかまるでわかってない」
頬を両手で挟まれた。撫でるような触れ方だが、視線を逸らすことを許さない――というよりも、絶対に逃がさないという強固な意志が指先から伝わってくる。
「アタシは確かに怒ったわ。アンタがこんな動画を観て、使っているって知って。……でもね、アタシに似た女ばかりを選んでいるってわかって、少し怒りが収まった」
スカーレットが少しずつ前かがみになっていく。彼女の深紅の瞳が、俺を魅了するように迫ってくる。
「だってそうでしょ? 本当はアタシが欲しくて欲しくてたまらなくて、仕方なく似ている女で我慢してたんでしょ? そんなアンタを、哀れで愛おしく思う」
彼女の熱を帯びた吐息が鼻先にかかる。柔らかくて暖かな彼女の膨らみが、俺の体に触れてカタチを悩ましく変えていく。
「大丈夫、安心して。もう他の女のコトなんて考えなくていい。アンタは思うがままに、アタシを好きにしていいんだから」
「スカーレット……考え直せ……ダメだ……ダメなんだ」
「ふふっ」
形だけの言葉。意思を伴っていない単なる振動。それをあっさりと見透かされて、彼女に笑われる。
それはそうだ。だってもうどうしようもないほど、俺の体は熱を帯びている。一つになろうと隆起して、彼女の柔らかな体をさっきからつついている。
「好きよ、トレーナー。誰よりも愛している。絶対に他の女に渡したりなんかしない。アンタは――アタシだけのものなんだから」
ああ、俺は彼女のものだったか。
その事実にこの上ない安らぎを覚え、俺はされるがままにスカーレットを受け入れた――
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