13: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 07:01:50.94 ID:vPGydQ4T0
※ ※ ※
「ん、もうこんな時間か」
消灯前のチャイムが寮に流れる。
読みかけの本に栞を挟み、月が綺麗だったため開けたままだったカーテンを閉めようと窓際に向かう。
夜の静かな光景を見て、決死の表情で寮を飛び出しているスカーレットに想いを馳せる。
「……さて、どちらを選んだか」
外泊の許可を求めるスカーレットに、許可するつもりなどサラサラなかったがまずは理由を説明させた。
するとスカーレットが抱えていた事情は想像を絶するもので、許可を出さざるをえなかった。
「専属のトレーナーでありながら、担当バ以外に子種を浪費するとは……たわけが」
自分のトレーナーに限ってそのようなコトは無いはずだが、もしスカーレットと同じ立場に置かれたらと考えてみる。
ヤるか、ヤるかだ。
これほどまでにウマ娘の信頼を裏ぎり、尊厳を破壊する行為が存在するなど夢にも思わなかった。生ぬるい選択肢などあろうはずがない。
果たしてスカーレットはどちらの道を選んだだろうか……?
「杞憂だな」
スカーレットはずいぶんと愛が重い女だが、自分ほど剣呑ではない。
まあ少しばかし過程が乱暴になるかもしれないが……それはトレーナーが悪い。
ウマ娘の一途さを見誤った、トレーナーが悪い。
スカーレットは明日どんな様子だろうか?
校則違反で問い詰めざるをえない様子でなければいいのだが。
手のかかる可愛い後輩のコトを考えながら、私は眠りについた――
〜おしまい〜
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