確信を得てしまったダイワスカーレット
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5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:54:30.39 ID:vPGydQ4T0
 硬直が解けるや否や、深々と頭を下げる。その潔さは良いけれど、頭を下げる相手はアタシではなくウオッカにでしょう。
 だってアタシは、この男がくだらない話をしていたコトはどうだっていい。その話し相手がアイツだったコトが問題なのだ。

 しかし負い目を感じてくれるのなら――

「私のコトは良いんです。男の人はそういうところがあると、知識では知っていましたから。問題はウオッカです。あの子……貴方とまともに顔を合わせられるか」

「……っ」

 静かな部屋の中で、ピチャリと汗が床に落ちる音が響く。
 頭は下げられたままだったけど、この人が今どんな顔をしているのか。わななく体が教えてくれる。

 でもまだだ、まだ足りない。

「まさか信じていたトレーナーさんが……髪は全体的にショートカットだけど一房だけ長くて、背が高めのスレンダーな女の子のエッチな動画が好きだなんて」

 担当バに失望と軽蔑の眼差しで見られるかもしれないという恐怖で、この男を無気力の無抵抗にしなければ。

「私のトレーナーさんが言ってたそうですけど……まるで、ウオッカに似た子を選んでいるみたい」

「あ……ああ、あ」

 壊れかけのラジオが、いよいよ絶命寸前のようにうめく音がした。

 そうだ、こうでなければ。トレーナーとはこうでなければ。
 アタシたちウマ娘が、トレーナーが他所の女にうつつを抜かすのにこれだけ激しい怒りを抱くのならば、担当バに見捨てられるトレーナーはせめてこのぐらいでなければ!

 アイツはどうだろうか?
 せめてこのぐらいの反応でなければ許せそうにないし――――何よりつまらない。


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