60:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:48:16.21 ID:u50g9+A20
そうだとしても、私は労わるためにそう口にした。
61:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:49:32.90 ID:u50g9+A20
息を切らしながら立ち上がろうとしたが、足に力が入っていなかった。
ぐにゃりと地面に倒れこんで、私は短い悲鳴を上げた。
62:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:52:51.00 ID:u50g9+A20
「文香、バカはよして。そこまでしてどうするつもりなの。無理をして倒れたのはどこの誰なの」
63:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:55:29.05 ID:u50g9+A20
やっぱり無理だ。
今の文香はバランスを崩してる。
64:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:57:21.51 ID:u50g9+A20
「残念だったわね、主役になれなくて」
「奏さんも、残念でした」
65:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:00:20.30 ID:u50g9+A20
なにが、私になのか。
66:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:01:33.11 ID:u50g9+A20
「奏さんは優しいんです。とっても。優しくて、周りがとてもよく見えていて、だから自分を押し殺しているんです。でも、本当は押し殺さなくたっていいんです。奏さんは、もっと、もっと素敵な人だって、分かってもらっていいんです」
67:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:03:05.73 ID:u50g9+A20
私は、モニターに目を向ける。次のアイドルが、舞台で歌を歌っている最中だった。
68:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:05:25.80 ID:u50g9+A20
選択したことで、あの映画は悲劇に進んだ。
69:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:07:49.72 ID:u50g9+A20
医務室を出て、私は舞台裏に走った。急ぐ私を、スタッフや他のアイドルがぽかんとした顔で見送っていた。
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