2: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:41:45.55 ID:7siPWhRxO
3: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:42:21.97 ID:7siPWhRxO
僕は漫然と、町中華のテレビを見ていた。昼のニュースは、アメリカの金融政策が変わりそうだとか、上野の動物園でパンダが生まれただとか、そんなどうでもいい話題を流していた。
僕はズズッとタンメンを啜った。塩気と胡椒と化学調味料が効いたスープは少しくどいけど、野菜の旨味が凝縮されたスープは少し太目の麺によく絡んでいた。熱いスープも、年末のこの時期には有難い。
評判通り、悪くない店だな。
4: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:43:34.78 ID:7siPWhRxO
……見覚えがあるぞ、ここ。
5: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:44:05.00 ID:7siPWhRxO
由梨花が家にいないことを、強く願った。大学に行っているか、家族や友達とたまたま外出していると思いたかった。
震える手で、スマホを操作する。焦りと恐怖で指がずれ、何回か変な所をタップしてしまった。
由梨花に電話を掛ける。頼む、出てくれ。
6: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:44:43.64 ID:7siPWhRxO
7: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:45:22.77 ID:7siPWhRxO
*
「クソッ」
熱帯夜でもないのに、汗が酷い。僕は手で額のそれを拭い、強く頭を振った。
8: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:46:12.87 ID:7siPWhRxO
*
「で、私を呼び出したってわけ?」
ニヤニヤしながら由梨花が僕を見る。僕はバツが悪くなって、フラペチーノのクリームを口にした。
9: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:47:02.84 ID:7siPWhRxO
「……マンションに、異変はないよな」
「あ、さっき言ってた悪夢を気にしてるの?大丈夫、もう住んで10年経ってるけどすっごく快適。セキュリティも万全だし治安は良好だよ」
10: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:47:37.65 ID:7siPWhRxO
僕が席を立ったその時、コナン似の少年が一瞬ハッキリと僕を見たのに気付いた。
11: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/20(月) 23:48:04.86 ID:7siPWhRxO
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