結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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553: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:24:14.71 ID:WGxiRQYAo


麦野「研究所を四つも襲撃してアンチスキルどもがまったく足取りをつかめていない状況。この時点で相当高位な能力、またはそれに準ずる技術を持ったヤツが犯人ってことにならないかしら?」

浜面「たしかにそうだな。現にニュースに書かれているのは謎の能力者っつー感じだし」

フレンダ「なんかいつかの第三位を思い出すね。電子的な警備を全部掌握して侵入してたとかいう話だったし」

麦野「嫌なモン思い出させてんじゃねーよ」


 彼女たちの言うように、昔アイテムは超能力者(レベル5)第三位の少女、御坂美琴と交戦したことがあった。
 そのときも今と同じような状況で、とある研究施設を襲撃しているインベーダーが御坂美琴だったというわけだ。


滝壺「むぎのは座標移動に、第三位と同じくらいのチカラあるって言いたいの?」

麦野「そりゃさすがにあのションベン臭いガキのほうが圧倒的に上よ? けど、座標移動でも同じ結果を出せるくらいのチカラはあるんじゃないのかとは思うわ」

絹旗「たしかにテレポートは壁を越えて超移動できますし、点と点の超移動だから監視カメラとかの死角から死角へ飛ぶとかすれば、超避けることもできそうですね」

麦野「そういうこと。これが二つ目の理由よ。で、三つ目だけどこれはシンプルね」


 麦野は携帯端末を手に取り、素早い指さばきで操作してある画面を映して再びテーブルの中央に置く。
 そこには『座標移動(ムーブポイント)の回収。生体が好ましい。死体の場合、脳への損傷は避けること』という文章が表示されていた。


麦野「この指令を受領した時期と事件が発生しニュースで騒がれだした時期が重なっている。これを偶然と片付けるにはちょっと無理があるんじゃないかしら?」

絹旗「た、たしかに……」

浜面「つまり、その襲撃犯を追っていけば自ずと結標の姉さんのところへたどり着ける、っつーことか?」

フレンダ「そういうことにはなるけど、かといってどうやってターゲットを追いかけるのよって話にならない?」


 フレンダの言う通り、彼女がいくらテレポーターの関連施設を狙っているとわかっていたとしても、その襲撃候補の数は膨大だ。
 そこからいつどこを彼女が襲撃するのかを予測するのは大変困難なこと。
 しかし、麦野はニヤリと口角を上げた。


麦野「実はあるのよね。ヤツがいずれ狙うであろう研究施設の候補がわかる情報が」


 テーブルの中央においてある端末をそのままの位置で操作し、別の画面を表示させる。
 それは何かのリストのようなものだった。中身を読んだ絹旗が問う。
 

絹旗「これは……学園都市にある民間警備会社の超警備先のリストでしょうか?」

浜面「うわっ、すげえ。こんなの絶対外部に漏れちゃいけねえ企業機密みたいモンだろ」

麦野「私たちからすれば、こんなもん機密でもなんでもないけどにゃーん」


 重大な情報を軽い感じに扱っている麦野を見て、浜面は改めてアイテムという組織のヤバさを認識して唾を飲み込んだ。


麦野「この中に今朝ある警備会社と新規に契約した研究施設があるわ。それが櫻井通信機器開発所」

滝壺「……もしかしてその研究施設も」

麦野「そう。さっき見せたテレポーターの研究をしている研究施設のリストに名前が載っているところよ。もちろん、名前の通り表向きにはそれを出してはいないけどね」

麦野「さらに言うとこの契約は、研究所を襲撃しているヤツがいるっていうニュースが流れてから行われているわ。つまりこの研究施設は、自分たちが狙われるとわかっているから警備会社に泣きついたってことにならない?」

フレンダ「なるほどね。ここを張っていれば座標移動と接触できる可能性が高いっていう訳か」

絹旗「そうと決まったら早く現場に超出向いたほうが良いのでは?」





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