結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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554: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:25:00.92 ID:WGxiRQYAo


 せっかく来る場所がわかっていても、ターゲットが来たときに自分たちがいなければ意味がない。
 一刻も早く動くべき状況だ。しかし、麦野は特に慌てた様子もなく、
 

麦野「それに関しては問題ないわ。四つ目に狙われたSATO新エネルギー開発の襲撃があったのが三〇分ほど前。そこから櫻井通信機器開発所に行くには車で飛ばしても二時間弱はかかる位置よ」

フレンダ「テレポーターって連続使用してまっすぐ進めば、時速換算でニ、三〇〇キロくらい出るんじゃなかったっけ? 間の障害物も越えられるし、もっと早く着くんじゃない?」

滝壺「いや、それは難しいと思う。一応は身を隠している逃亡犯なのだから、そんな派手な動きを取るのは理にかなっていないよ」

フレンダ「あっ、そっか」

麦野「滝壺の言う通りよ。ま、でもここでいつまでものんびりしていい理由にはならないし――」


 そう言って麦野はぼーっと突っ立っている下っ端の方へ目を向ける。


麦野「というわけで浜面。さっさと足の確保しなさい。三分以内」

浜面「へいへい、わかりましたよー」


 軽く返事をし、浜面はファミレスの外へ車を探しに出るためにファミレスの出入り口へと向かった。
 そんな少年をなんとなく頬杖付いて眺めていたフレンダ。
 すると、彼女の視界にある出入り口の扉から、ある人物たちが入店してくるのが目に入った。


フレンダ(ッ!? あ、あのコは……!)


 それは二人組だった。
 一人は肩まで伸びた茶髪に自己主張の激しいアホ毛が特徴の見た目一〇歳前後の少女。
 もう一人は背中まで伸びる黒髪ロングへアーに白梅の花を模した髪飾りを付けている少女。
 その少女たちをフレンダは見覚えがあった。というかアイテムとか全然関係ないところでの知り合いだった。


フレンダ(や、ヤバっ!? 見つかったら絶対話しかけてくるって訳よ。今仕事中だってのに不用意に一般人と接触するわけにはいかない……!)


 何という運の悪さか、二人組の少女はフレンダたちのいる席に近い場所を店員に案内されようとしている。
 フレンダは不味いと思い被っているベレー帽を目深に被った。
 その様子を見て三人は、


絹旗「何やっているんですかフレンダ? 新しい超ファッションかなにかでしょうか?」

麦野「フレンダがそんなダセーことするわけないでしょ。もしこれをファッションと言い張るなら幻滅だわ」

滝壺「大丈夫だよフレンダ。私はそんなださいフレンダを応援している」





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