【ウマ娘】タキオンのトレーナー、死す
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12:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:18:15.71 ID:emsexCaj0
トレーナーの症状は深刻だった。

意識は取り戻したものの、いつ容態が急変してもおかしくない。
今も意識を失ったり、また取り戻したりを繰り返している。
薬を投与し続けて、やっとのことで症状を緩和できている状態だ。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:20:15.18 ID:emsexCaj0
ある日、トレーナーが自分を呼んでいると聞いた。
だから、身だしなみを整えて、病院に向かった。

数週間しか空いてないはずなのに、トレーナーは前よりもやつれているように見えた。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:22:02.12 ID:emsexCaj0
トレーナーは少し黙った。
そして、しょうがないと溜息を吐いて、紙とペンを机の上に取り出し、
咳をしながら、ぐりぐりと文字を書いて、タキオンに差し出した。

とりあえずはこのメニューの通りにトレーニングをこなしてほしいと言った。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:23:10.76 ID:emsexCaj0
一人で調べることに限界を感じたタキオンは、いろいろな伝手に協力を頼んで回った。
理事長をはじめとする学園関係者にも、便宜を図ってもらうために、頭を下げた。
皆、驚いてタキオンのことを見て、少し気の毒そうな表情を浮かべた後、出来る限りの力を貸すことを約束してくれた。

進捗は芳しくなかった。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:24:43.51 ID:emsexCaj0
時間ばかりが過ぎていった。
病院から逐一トレーナーの症状の報告を聞くたびに、タキオンの焦りは強くなっていった。
ずっと期待をしては、失望することを繰り返していた。
調査し、誰かに連絡をするたびに、次第に頭の中での理性の声が強まってくる。

以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:26:18.37 ID:emsexCaj0
トレーナーの病状は悪化の一途を辿っていた。

焦りを必死に押し殺して、時間を稼ぐために最新施設が揃った病院に移させることを検討していると、
病院から連絡があり、トレーナーがまたタキオンに会いたいと、呼んでいるとのことだった。

以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:27:22.11 ID:emsexCaj0
出会った頃から、この人の目には狂った色が宿っていた。
このウマ娘を、自分が絶対に速く走らせて見せると、情熱を迸らせていた。
当時、その色に私はひどくそそられた。

でも今のトレーナーの目の色は、弱弱しい。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:28:48.76 ID:emsexCaj0
タキオンは、元気になれば、また元のトレーナーに戻るだろうと思った。
だから、すぐに治療方法を探しに行った方が良い。

だが、タキオンの頭の中の理性が、今のトレーナーの姿を見てから、
絶対に間に合わないと、ずっと言っていた。今を逃したら、もう会えなくなると叫んでいた。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:29:36.38 ID:emsexCaj0
タキオンは治療の可能性を諦めた。

代わりに、次のレースでは絶対に一着をとろうと思った。
トレーナーが望んでいるのなら、絶対に叶えてあげようと思った。

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:30:47.11 ID:emsexCaj0
その後、トレーナーの容態は持ち直して、嘘のような小康状態を保った。
ただ、いつ急変してもおかしくない状態でもあった。

見舞いのたびに、トレーナーはしつこく、新しいトレーナーと上手くいっているか確認してきた。
トレーニングの内容を詳しく聞きたがった。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:31:58.94 ID:emsexCaj0
「じゃあ、また来るよ」

タキオンはそう言って、パイプ椅子から立ち上がった。

「トレーニングで忙しくなるから、これからは頻繁に来られなくなるが」
以下略 AAS



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