13:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:20:15.18 ID:emsexCaj0
ある日、トレーナーが自分を呼んでいると聞いた。
だから、身だしなみを整えて、病院に向かった。
数週間しか空いてないはずなのに、トレーナーは前よりもやつれているように見えた。
「やあ。悪かったね、しばらく会いにも来ないで」
トレーナーは首を振った。
世間話もそこそこに、トレーナーはタキオンが今度出ることになっていたレースについて触れた。
自分が今動ける状態にないので、代理のトレーナーを立ててレースの準備をしてほしい。
学園には、既に許可をとり、めぼしいトレーナーの用意もしてくれる。
せめてレース当日までにどうにか自分の体が治ればいいんだけどと、トレーナーが喋るのを遮って、
タキオンはきっぱりと告げた。
「レースには出ない」
トレーナーが一つ咳をした。
「…悪いが、大事な用があるんだ」
理由を尋ねても、タキオンはハッキリとした答えを言わなかった。
トレーナーは、突然のことで申し訳ないけど、今後につながる大事なレースだからと、
代理のトレーナーは、最大限タキオンに配慮して選んでもらうようにすると、説得を続けた。
「誰であろうと関係ない」
タキオンは無表情にそう言った。
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