14:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 20:22:02.12 ID:emsexCaj0
トレーナーは少し黙った。
そして、しょうがないと溜息を吐いて、紙とペンを机の上に取り出し、
咳をしながら、ぐりぐりと文字を書いて、タキオンに差し出した。
とりあえずはこのメニューの通りにトレーニングをこなしてほしいと言った。
タキオンは、紙面上のよれよれとした文字をしばらく見つめて、「わかった」と呟いた。
トレーナーは時間をとってごめんねと、タキオンに謝った。
タキオンは薄笑いを浮かべた。
「…精々、安静にすることだね。君には、私をもっと速くする役目があるんだから、はやく元気になってもらわないと」
トレーナーは困ったように苦笑して、わかった、ごめんねと言った。
私は、タキオンの夢を叶えてあげたいから。
「…」
いつまでも黙っているタキオンをトレーナーが心配すると、「なんでもないよ」とタキオンが答えた。
その後、いくつか近況を話し合って、タキオンは病室を後にした。
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