53: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:22:27.35 ID:ZnT9OyOd0
社長さんは、しばらく黙ってはった。
そしておもむろにアタシら3人をジッと見つめてくる。
値踏みしてはんのやなーー
54: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:23:10.34 ID:ZnT9OyOd0
社長「……細かな契約の内容は、後々詰めるということでよろしいかな?」
P「結構です」
社長「では当面、毎週レッスンに通うように」
55: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:23:54.96 ID:ZnT9OyOd0
亜子「じゅ、寿命が縮んだわ……」
P「? どうして?」
56: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:24:34.30 ID:ZnT9OyOd0
泉「つまりプロデューサーは、社会勉強をしてこいと家を出されて……」
さくら「たまたま、わたしたちの学校にきたわけなんだぁ」
57: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:25:14.68 ID:ZnT9OyOd0
P「君を目にした時の感動と興奮を、どう表現すれば伝わるのか、僕にはわからない。綺麗で、可愛くて、そして楽しそうで」
亜子「……」
P「君がアイドルって言い出した時、僕はビックリした。そして腑に落ちた。そうかアイドルか、って。初めて親が仕事に打ち込む姿勢に共感したよ。それが伝わったのかな……父もさっきは心なしか嬉しそうだったし」
58: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:26:07.69 ID:ZnT9OyOd0
三村かな子「え? 海外ツアーのお話があるんですか?」
女性P「ああ。私もぜひ形にしたいと思って……おや?」
59: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:26:40.78 ID:ZnT9OyOd0
かな子「うわあ。じゃあこれからは、私たち仲間なんだね。よろしくね」
亜子「あ、アイドルの三村かな子ちゃん……ど、どうも」
泉「本物の……やっぱり可愛い」
60: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:27:21.86 ID:ZnT9OyOd0
亜子「はー……やっぱり可愛かったな、かな子ちゃん」
泉「うん。テレビとかで見るより断然、綺麗だった」
61: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:27:55.58 ID:ZnT9OyOd0
亜子「さっきの女の人! あれ、かな子ちゃんのプロデューサーやろ?」
P「うん」
亜子「なんやメチャクチャ仕事できそうな人やったやんか」
62: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:29:49.63 ID:ZnT9OyOd0
https://i.imgur.com/0qf4Egw.jpg
三村かな子(17)
63: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:30:37.13 ID:ZnT9OyOd0
それから毎週、アタシらは東京に通うこととなった。
アタシの母親をはじめ、それぞれの両親へはPちゃんが説明をすると言っていたが、結局は社長さんが話をまとめてくれた。こういうことはやはり、大人がエエいうことがわかった。
アイドルになる! と最初に切り出した時はどの親も反対こそしないまでも、なかなか賛意は得られなかった。
けれどそこへ、芸能事務所の社長さんが登場すると事態は一変した。どの親も、娘たちの可能性を説く社長さんに「娘をよろしくお願いします」と頭を下げてくれたからだ。
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