22: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:44:41.61 ID:ZnT9OyOd0
さくら「わたし、カラオケボックスって初めてなんだぁ」
泉「私も。えっと、このタブレットで歌いたい歌を選ぶんだ……なるほど。そしてここで音程の調整とかもできて……なるほど」
23: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:50:08.08 ID:ZnT9OyOd0
泉「うん。私はカフェラテにしようかな。歌は……」ピピッ
さくら「うわぁ。虹を見たか、だね」
亜子「へえ。意外やな」
24: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:51:04.60 ID:ZnT9OyOd0
亜子「……2人とも、上手いな」
泉「そう?」
さくら「ありがとうアコちゃん」
25: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:51:49.44 ID:ZnT9OyOd0
泉「さっき笑ってたのはなに?」
さすがというか、付き合いの長いいずみがカラオケ終わりの帰り道、アタシに聞いてくる。
いや、さくらも黙ってアタシを見ているあたり、何かは感づいているようだ。
26: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:53:15.95 ID:ZnT9OyOd0
泉「亜子の思いつきや計画を、実際に数字にして補完するのが私の役割だと思ってる。だから、早めに教えて欲しい」
なるほど。いつだってそうだった。なにかを発案し「やろ!」言うんはアタシ、それを計算して足らない部分を補ってくれるのがいずみ、そしてそれを応援してくれるのがさくらというのがアタシたち流やった。
亜子「わかってるて。でもな、いずみやさくらに聞かせるにはまだ、準備が必要やねん」
27: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:55:08.92 ID:ZnT9OyOd0
あの中インハイ帰りにウチに来て以来、Pちゃんはおとなしかった。
クラスで会うても、挨拶ぐらいしかしない。
この人、ホンマにアタシのこと好きなんかいな? ちょっとそう思わへんこともなかったし、なんやこう胸がチリチリとしたのは確かやったけど、思い返してみるとこのPちゃんはずっとこうやった。
テストでトップになると言い、実際にトップになるまではアタシに何も言わへんかったし、全中で優勝するまでの1ヶ月もほとんど口もきかへんかった。
どうも彼は、アタシに大見得を切ったらその結果を出すまではアプローチはせえへんということらしい。
28: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:55:59.72 ID:ZnT9OyOd0
亜子「あ、や、な、なんでもあらへんから」
泉「もしかして、彼のこと?」
亜子「ちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃうで!?」
29: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:56:48.64 ID:ZnT9OyOd0
亜子「せやせや。あんな、いずみもさくらも歌うまかったやんか」
さくら「そぉかなあ。普通だと思うけど」
亜子「いや、ちょっとすごいな、て思ってんで。それに……」
30: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:57:35.90 ID:ZnT9OyOd0
泉「待って。そんなアイドルとか、私にできると思う?」
亜子「さっきも言うたやろ? いずみもさくらも、美人で可愛いし歌かて上手い。大丈夫やて」
さくら「アイドル……わたし、やってみたい」
31: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:58:32.50 ID:ZnT9OyOd0
さくら「3人でアイドルをやるんじゃないのぉ?」
亜子「アタシはほら、その……な?」
泉「なに? はっきり言ってよ。亜子らしくない」
32: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:00:49.53 ID:ZnT9OyOd0
亜子「と、ともかくや、アイドルいうんをちゃんと理解せんとな。宿題も片づいたし、確かそろそろ歌番組が……」
アタシがテレビをつけると、そこには意外な人物が映っていた。
アナウンサー「今日は中学生で起業し、既に年収250万円が見込まれるという学生実業家のP君にお話をうかがいます。よろしくお願いします、P君」
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