高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:53:07.28 ID:mOMWMpAw0
ホットケーキやパンケーキといったメニューには、すべて「みに」という言葉がついていた。
たぶん、しろちゃんが渡してもらったフォークと同じくらいの、私なら一口で食べれてしまうサイズ。
そーちゃんとしろちゃんは、まだどれを選ぶか迷っているみたい……というより、ほとんどが知らない名前っぽい。
入院患者にとって、カフェのメニューは全部テレビの向こうの物だもんね。
藍子もそこをちょっと気にしているみたいで、テーブルの下でこっそりメモを取っているようだった。

「かれんちゃん……」

困った顔で、そーちゃんが振り向く。

「うん、いいよ。教えてあげる。そーちゃんは、どれが気になるのかな?」
「じゃあ、これっ。かれんちゃんが、食べてたの!」
「これはパンケーキだよ。カフェに行ったら、まずはパンケーキをくださいって言うの」
「そうなの?」
「そうなんです」
「そうです!」
「そーちゃんだっ」
「そうです!!」

ほっほっほー、に続く私達の合言葉……なんてねっ。
軽くタッチをかわしたところで、次はしろちゃんに聞く番。

「しろちゃんは、どれか気になる物はあったかな? なんでも言っていいんだよ」
「……あの、じ、じゃあ、これ――」
「それはケーキだよ。クリスマスには、みんなケーキを食べ」
「じゃなくてっ、やっぱりこれ!」
「え? そっちは、クレープかな。クレープっていうのはね……」
「ううん、やっぱりこっち!」
「ぱ、パフェはえっと、どう言えばいいかなー」
「えっと、えっと……!」

うん。しろちゃん、あなたは間違えなく藍子ちゃんのファンだよ。メニューを決めるまで1時間もかけるのは、間違えなく藍子ちゃんのファンだよ……。


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