高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:52:36.68 ID:mOMWMpAw0
「さて……」

これまでずっと後ろで見守ってくれていた看護師さんが、いつの間にか私のすぐ後ろにまで迫っていた。座っている私の上から、子供に絵本を読んであげる母親のような高い目線でメニュー表を見下ろす。

「そういえば、加蓮ちゃんの好きな食べ物を聞いていなかったわね」
「……病院食は嫌いだけど?」
「嫌いな物じゃなくて、好きな物のお話。あ、ポテトが好きだっていうのは、病院みんなが知っていることだからね」
「あっそう……」
「でも、さすがにポテトを差し入れるのは、病院に勤務する者としてはちょっとね? だから、他の好きな物を教えてほしいな」
「今はヘルシーポテトとか野菜ポテトとかあるんだけど知らないの? そういう思い込みばっかり――」

って、それよりも気になることが。

「差し入れ?」
「そう、差し入れ。頑張っている加蓮ちゃんへ、病院のみんなからのプレゼント。そろそろあげなきゃいけないって思ってたのよ」
「そういうのホントいいってば……」
「看護師さん、ごめんなさい。食べ物の差し入れは、基本的に駄目だってPさん――プロデューサーさんが」
「あら、そうだったのね。藍子ちゃん、今度、加蓮ちゃんの好きな物をこっそり教えてねー?」
「は〜い。じゃあ、私も今度、ちいさかった頃の加蓮ちゃんの――」
「そういうのホントいいから!」

カフェの前で話した時の、今回の打ち合わせ? の時もそうだけど、この2人、どこまで私のことを共有してるのよ……!
これが終わったら、たっぷりとっちめてやるんだからっ。……もちろん藍子の方だよ? 看護師さんにはどうせ敵わないし!


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