高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:48:36.99 ID:mOMWMpAw0
「では、そーちゃん、しろちゃん」

前掛けの白ひげおじさんをスプラッターにしないよう気をつけながら、藍子が2人へと目線を合わせた。

「こちらへどうぞ。今日は、クリスマスですから。おいしいジュースを用意しているんですよ。ほら、こっちに座って……。加蓮ちゃんも、看護師さんもっ」

ちびっこが歩幅を合わせてテーブルにつく。子供が座るのにちょうどいいサイズの座布団が並べて用意してあった……のだけど、そーちゃんはその右隣に座っちゃった。
座布団は、私の顔を見ながらぺたぺたと叩く。

「かれんちゃんは、ここっ」
「ありがとう、そーちゃん」
「…………ここ」
「しろちゃんも、ありがとね」
「これ、あけてもいい!?」

答えを返す前からそーちゃんはテーブルの上の、おそらくメニュー表と思われる冊子へ手を伸ばす。
1ページめくると、ひまわり色の紙に端っこがくるんと丸まった文字で「クリスマスメニュー」って書いてある。
その下には「わくわくするジュース」「クリスマスみたいなジュース」「ちょっぴり大人なドリンク」……。

「いや、どういうメニューよこれ……」
「わくわくするんだって! わたし、これがいい! しろちゃんは?」
「え、と……。クリスマスなジュースが、いいです」
「だってー!」
「ま、待って! わたしも、わくわくするジュースがほしい!」
「だってー!」
「ううんっ、大人なドリンク? っていうのがほしい!」
「だってー! ……えっと、どれ?」
「あらら。出ちゃったわね、しろちゃんのわがまま攻撃」

と、後ろから見守る看護師さん。

「……好きな物探しは、藍子を見つけて終わったんじゃなかったの?」
「あら。アイドルに夢中になってからも、あちこちに好奇心を向け続けていた子が昔いたような――」

罅割れた映像より、やっぱり今が大事だよね!


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