2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:10:54.60 ID:MFd4PAJFO
「なるほど。君はあくまでも本物のサンタクロースから贈り物を贈呈されたいというわけか」
知ったような口ぶりでそう分析する佐々木に反論する気力など皆無な俺は黙々と、すっかり日が短くなり、暗くなった夜道を歩く。
「キョン。もしもサンタクロースが居るとすれば、どんな人だと君は思う?」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:13:19.05 ID:MFd4PAJFO
「では君はサンタクロースがどんな魔法を扱えると想定している? 参考までに教えてくれ」
いったい何の参考にするつもりなのやら。
ともあれ、ここで出し惜しみをするほうが恥ずかしがっているように見えるのではないかと勘ぐった俺はサンタが扱える魔法について推察を述べた。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:15:19.17 ID:MFd4PAJFO
「歩くのが早すぎたか……?」
佐々木はあれでいて女生徒である。
俺の歩調に合わせると早歩きとなる。
ましてやくだらないサンタの設定に気を取られていたので、俺のほうが知らず知らずのうちにいつもよりも早く歩いていたのかも知れない。引き返すべきだろうか。いやしかし。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:16:59.48 ID:MFd4PAJFO
「ごめんよ。てっきり前に居る僕のことを君は認識しているものとばかり思っていたから、よもや見失っているとは考えなかった」
それはそうだろう。誰だってそう思う筈だ。
小走りでちょっと先の自販機まで行って飲み物を買っていたら、いきなり名前を呼ばれて慌てて戻ってみれば友達が自分のことを見失っていたなんて、滑稽すぎて笑えない話だ。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:19:16.73 ID:MFd4PAJFO
「缶コーヒーを開ける時も離さないとはね」
片手で器用にプルタブを開けて見せた俺にやれやれと呆れつつ、佐々木は自分用のカフェオレを差し出してきた。俺が何も言わずに開けてやると、満足そうにくつくつと笑った。
「なんだかいつもよりも甘い気がするよ」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:22:46.61 ID:MFd4PAJFO
涼宮ハルヒの直観、素晴らしかったです。
最高のクリスマスプレゼントでした。
もしもまだ読んでいらっしゃらないならば、是非おすすめします。
最後までお読みくださりありがとうございました。 メリークリスマス!
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