佐々木「クリスマスだね」キョン「そうだな」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:16:59.48 ID:MFd4PAJFO
「ごめんよ。てっきり前に居る僕のことを君は認識しているものとばかり思っていたから、よもや見失っているとは考えなかった」

それはそうだろう。誰だってそう思う筈だ。
小走りでちょっと先の自販機まで行って飲み物を買っていたら、いきなり名前を呼ばれて慌てて戻ってみれば友達が自分のことを見失っていたなんて、滑稽すぎて笑えない話だ。

「君は無意識に、歩幅の違う僕を気にかけていたんだね。だから後ろばかりを気にした」

俺はただ間抜けなだけだ。美談にするな。

「たとえ君が間抜けでも、僕はそんな優しい間抜けを好ましく思うよ。だから、キョン」

珍しくくつくつ笑うことなく、微笑んで。

「僕は目を離すとすぐに迷子になってしまうような困った友達と、手を繋ぎたい」

差し出された佐々木の手をしっかり握る。
缶コーヒーはたいした役割を果たせなかったらしく、冷たくて、小さい、女の手だった。


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