黒埼ちとせ「進化論」
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53:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:54:34.88 ID:W5lmC8VA0
「千夜ちゃん……アイドルは、楽しい?」

 紫に煌めく千夜ちゃんの瞳が、少し大きくなった。

「ちゃんと答えて……私に、阿ることはしないで……」
「お、お嬢さま……?」

「ごめんね、千夜ちゃん……私、あなたに大きな重荷を背負わせちゃったのかもしれない……。
 私の代わりに、アイドルの世界を楽しく生きるというのは、私の願いだった。
 けれど、私はあなたに……従者の代わりに、私の未来を託すという、新たな呪いをかけてしまった」


 それはともすれば、大いに独りよがりな“使命”で、彼女の自由を奪う行為。

 手前勝手な生きがいを一方的に押しつけ、逆にこの子の未来を奪いかねない、私のエゴそのもの。

「千夜ちゃん……私、もっと千夜ちゃん自身の夢を、応援できたら良かったのにね……ごめんね」


「お嬢さま」


 俯いた顔を上げると、優しく微笑む千夜ちゃんの顔があった。
 まるで、藍子ちゃんみたい。

「一度しか言いません。そして、アイツにはくれぐれも内緒にしてください」
「えっ……?」



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