24:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 17:36:25.18 ID:W5lmC8VA0
最近では、スマホでもデジカメ並みに質の高い写真を撮れるようになったという。
品質や利便性を考えれば、写真なんてそっちを採用する方がいい気がする。
だのに、あえてこのチャチなカメラに楽しみを見出すあたり、藍子ちゃんもなかなかのロマンチストだね。
「幸せって、いつどのように出会うか、分からないでしょう?」
カメラを返しつつ、スマホを使わない藍子ちゃんを茶化してみると、彼女は頷いた。
「だけどきっと、そこら中に散らばっている……。
そんな小さな幸せを、誰にでも使えるようなカメラに収める事が、何となくいい気がしたんです」
「…………」
今日も外はいい天気だった。
週末の昼下がりにも関わらず、人通りは思っていたほど多くない。
「ちょっとだけ、どこか日の当たらない涼める所に行きたいなぁ」
「あぁ、それなら、あっちの方に行きましょう」
陽光が苦手だという話をすると、藍子ちゃんは木陰の芝生を案内してくれた。
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