82: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:21:16.22 ID:ECNFnKQ+0
83: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:22:33.03 ID:ECNFnKQ+0
――――――――――コンコン。
扉を叩く音がした。
男「ん……」
84: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:23:59.82 ID:ECNFnKQ+0
男「ありがとうございます」
姉「……珍しい返事をしますね」
男「ノックで起きたからさ」
85: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:25:01.70 ID:ECNFnKQ+0
家を出て、いつもより遅い電車に乗って、学校に向かう。
少しばかり混んだ車内の中で何も考えずにただ揺られて到着を待つ。
なんのことはない一日が、今日も始まるようだ。
86: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:25:48.79 ID:ECNFnKQ+0
最寄り駅に着いて、改札を出る。
学生と社会人の群れが改札から散り散りに自分の目的の場所へと向かっていく。
男「なんだってんだ」
87: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:26:52.83 ID:ECNFnKQ+0
ポケットに入っている、今朝の髪留めを手に取る。
俺には一生縁が無いであろう、淡い色の髪留め。
なら、それを何故俺が持っているのか。
88: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:27:38.69 ID:ECNFnKQ+0
身に覚えのないものだから、捨てれば良いのだが。
もしかしたら誰かのものかもしれない。
というか俺は、いつからこれを持っていたのか。
89: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:28:16.63 ID:ECNFnKQ+0
自分の席に座りながら、髪留めを眺める。
毎日の日常の中で、
この髪留めだけが違和感だった。
90: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:28:56.35 ID:ECNFnKQ+0
チャイムが鳴り響いて、今日も授業が始まる時間を告げた。
男「んー」
何の気なしに、伸びをした。
91: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:31:13.14 ID:ECNFnKQ+0
男「!?」
俺は勢いよく席から立ち上がった。
「ん、どうした?」
92: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:32:38.80 ID:ECNFnKQ+0
俺は毎日、次の日の授業の教科書を前日に確認して入れておく。
欠かさず行っていることで、これを忘れるようなことはない。
朝はできるだけやることを削ぎ落したい、その為にやっていることだ。
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