116: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:11:54.18 ID:ECNFnKQ+0
父「父です。……と言っても今のあなたには何がなんだか、でしょうが」
まったくその通りだ。
男「あの、なんなんですかこれ」
117: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:15:43.16 ID:ECNFnKQ+0
男「どういうことですか?」
父「ちょっと失礼……」
少し疲れたような顔をして俺の額に手を当てる。
118: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:16:13.60 ID:ECNFnKQ+0
そして脳内で鮮明なイメージが浮かんでくる。
現れたのは、さっきの彼女だった。
父「あなたの記憶です」
119: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:17:01.58 ID:ECNFnKQ+0
男「不思議っ娘!」
ふと我に返り、気づくと叫んでいた。
父「思い出しましたか」
120: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:24:46.39 ID:ECNFnKQ+0
父「あなたがここにやってきたのは、数えきれないほどの回数に及びます。
我々が始めて遭遇したことを1回と数えるのであれば今回が記念すべき88888回目です」
それはなんというか、
121: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:26:15.03 ID:ECNFnKQ+0
父「時を戻すのは容易ではありません。時は戻ってなどくれないのです。常識です」
男「それじゃあどうやって」
父「『時を戻す』というのは、非常に語弊がありますね。
122: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:28:39.12 ID:ECNFnKQ+0
男「88888日も同じようなことをしているってこと……か?」
父「それは違います」
彼は、我が家に酷似しているインテリアを顎で示す。
123: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:30:38.24 ID:ECNFnKQ+0
父「現在88887ケースを経て、我々の言語能力も格段に向上しました。
しかし困ったことに、あなたは必ずここにやってきて、世界は再作成(リセット)されてしまうのです。
あなたはどんな状況になろうとも、必ず"この場所"にやってくるのです。絶対に」
124: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:33:09.38 ID:ECNFnKQ+0
男「え?」
父「今回初めて、あなたから『"素体"の存在』の記憶を消しました。
だからあなたは"素体"の存在を再作成(リセット)時点で知らなかった。
125: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:33:37.24 ID:ECNFnKQ+0
父「もううんざりですよ、正直」
男「ま、待ってくれ」
父「?」
126: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:36:12.45 ID:ECNFnKQ+0
女「一つだけ、ある」
男「!」
不思議っ娘が口を挟んだ。
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